非難ごうごうの「橋本聖子JOC新会長」誕生の“ウラ事情”とは? 「超大物たちが入り乱れて大変なことに」

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橋本氏は“アンチ政治家支配”の旗手

 日本オリンピック委員会(JOC)の新しい会長に、参議院議員の橋本聖子氏(60)が選出された。

 橋本氏といえば、過去にスケート選手へのセクハラ行為が報じられたほか、自民党裏金事件でもその名が取り沙汰されている。

 そもそもJOCは、政治介入を招いたモスクワ五輪ボイコットの反省を踏まえて、日本体育協会(現日本スポーツ協会)から分離独立した組織である。そのトップに政治家を頂くのはいかがなものか、との批判もかまびすしいが、

「実態は、むしろ逆です」

 と、JOC幹部がささやく。

 当初は日本サッカー協会(JFA)前会長の田嶋幸三氏(67)が次期会長として本命視されていた。だが、彼がある人物と会ったことで、アクの強い超大物たちによるドラマが幕を開けた。

「現職の山下泰裕会長(68)は長期療養中なので、前任の竹田恒和前会長(77)へあいさつに行ったのです。そこで竹田氏は、田嶋氏の後ろ盾が元五輪相の遠藤利明代議士(75)であると知り驚いた。というのも、スポ協会長でもある遠藤氏は、ゆくゆくはJOCをスポ協に再吸収しようとしているとのうわさがある。“田嶋氏が新会長になればJOCがなくなる”と危機感を抱いた竹田氏は、自身が会長だった頃の理事で、じっこんだった橋本氏を擁立することにしたのです」

 皮肉にも橋本氏は“アンチ政治家支配”の旗手として立候補したのだ。文教族の先輩に弓を引く行為だが、

「ドンである森喜朗元首相(87)の威光も低下したので」

 東京2020組織委員会会長を務めた橋本氏の出馬に、国際オリンピック委員会(IOC)会長だったトーマス・バッハ氏(71)も好感したようだ。

「来日して“JOC会長は女性、それもオリンピアンがいい”と発言するなど、彼女を援護したといいます」

“事情”を抱えた第三の候補者

 かくして“遠藤vs.竹田”の代理戦争が勃発したのだが、新会長を決める理事会の当日、“第三の候補者”が現れる。

「田嶋氏も橋本氏も政治絡みであることに反発した人たちが、JOC会長代行を務める三屋裕子・日本バスケットボール協会(JBA)会長(66)を担いだのです」

 予定を3時間超過した会議は、三屋氏の考慮時間を兼ねて休憩に入った――。

 元バレーボール日本代表の三屋氏は、五輪出場歴もあり、少なくとも田嶋・橋本両氏よりはクリーンに見える。だが、彼女にものっぴきならない事情があった。

 JBA関係者が説明する。

「2016年にJBA会長に就任した三屋氏は、本来4期が限度だった会長任期を7期まで続けられるように規約を改定し、5期目に突入。さらに“女子W杯招致”を掲げて6選を目指していました。ところが、利益相反で兼任できないはずの島田慎二Bリーグチェアマン(54)がJBA会長就任に意欲を示したのです」

 そのJBAの次期会長を決める評議員会も2日後に迫っていたのだ。そして、

「島田氏は根回しを終え、三屋氏の6選は絶望的。なので、JOC会長選は三屋氏には“渡りに船”でした」

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