TOKIOは「残り2人」で解散 “伝説の海外バンド”に見る「メンバー減でも存続」「逆に盛り上がった」例とその理由

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 複数回のコンプライアンス違反があったという理由で、国分太一が無期限活動停止となり、結果、彼がメンバーだったTOKIOは解散した。メンバーの脱退理由は様々でも、それに伴う解散はロックバンドでよく見られること。しかし一方で、どんどん人が抜けても持ちこたえて、かえって活性化したケースもある。両者の違いはどこにあるのか。ライターの神舘和典氏が読み解く。

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2人になったTOKIO

 国分太一さんの無期限活動停止を受けて、TOKIOが解散を発表した。CDデビュー以降、ずっと5人体制で活動してきたバンドだった。「AMBITIOUS JAPAN!」(2003年)や「宙船」(2006年)など大ヒット曲も多い。

 しかし、2018年にベースの山口達也さんが不祥事で脱退、2021年にヴォーカルの長瀬智也さんが脱退して、バンドは3人体制になっていた。そこへきて今回、国分さんの復帰の目途が立たない状況となったため、残るはギターの城島茂さん、ドラムの松岡昌宏さんの2人に。これを受けて解散を決断したということになる。

 タレントとしてのTOKIOであれば5分の2でも活動は成立する気もする。しかし、バンドとしては体を成していない。山口さんの脱退時点で音楽活動は休止状態だったようだが、メイン・ヴォーカルを欠いた状態では活動再開は困難だったのかもしれない。

 ただ、世界のロック界を見渡すと、オリジナル・メンバーやフロントマン、メインコンポーザーを欠いてなお活動を存続するケースは多い。

1人しかいなくてもバンドは持つ

 先日他界したブライアン・ウィルソンが率いていたザ・ビーチ・ボーイズは、長期間、ブライアン不在のまま活動していた。メインのソングライターで、リード・ヴォーカルでもあるブライアンが関与しなくても、「ココモ」(1988年)のような全米1位のヒット曲を生んでいる。現在残っているメンバーは5人中2人だ。

 ザ・ローリング・ストーンズも、オリジナル・メンバーがミック・ジャガーとキース・リチャーズの2人になってから久しい。とはいえ、このフロントマン2人が健在である以上、ファンに文句はないだろう。

 プログレッシブ・ロック、いわゆるプログレでは、メンバー・チェンジというか人事異動が盛んだ。キング・クリムゾンは現在、リーダーのロバート・フリップのみがオリジナル・メンバーである。このバンドの場合、70年代にはすでにロバートのみがオリジナルで、残りはその都度雇用される体制になっていたので、ファンにとっては何ら違和感のないものだろう。

 ジェネシスは、1975年にそれまでバンドを牽引してきたピーター・ガブリエルが脱退。多くのリスナーがバンドは終焉を迎えたと思った。ところが、ドラマーのフィル・コリンズがヴォーカルも兼務。音楽性は大きく変わったものの、ヒット曲を連発。初期からのファンには違和感もあったことだろうが、バンドを立て直したとも言えるだろう。

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