「中国共産党」幹部の息子が、ロンドン留学中に「婦女暴行10名」で終身刑に 親のスネかじり月78万円のマンションで違法薬物も使用 「これまでの性犯罪者で最も凶悪な1人」

国際 中国

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党幹部の道

 では、鄒鎮豪とはどのような人物なのか。鄒は中国南部の広東省東莞(とうがん)市生まれ。東莞市には広東省初の模範的な産業移転工業団地である広さ50平方キロメートルにも及ぶ「東莞松山湖ハイテク産業開発区」がある。鄒の父親は同開発区の国家ハイテク企業幹部で中国共産党の幹部でもあるエリートだ。母親は教師。長男の鄒は幼いころから勉学優秀で、学生の間でリーダー的な存在だった。

 鄒は広東省の名門である「広東理工大学」の国際クラスに入学し、将来は父親と同じように、党幹部の道を歩むべく期待されていた。

 同大の国際クラスは2年間在籍したあと、海外の大学に2年間留学すれば卒業できるシステムがある。17年9月、20歳の鄒はイギリス北アイルランドのベルファストにあるクイーンズ大学で機械工学の学位を取得している。19年9月からはロンドンのユニバーシティ・カレッジ・ロンドンの修士課程で学び、同課程を修了。21年9月から同大の博士課程に進んでいる。

決め手は遮音性

 同大学は総長がアン王女であるロンドン大学連合の旗艦校として設立され、世界大学ランキング(QS World University Rankingsの2025年度版)で第9位にランクインし、卒業生・教員・創立者から計30人のノーベル賞受賞者を出しているイギリス屈指の名門校だ。日本では初代内閣総理大臣・伊藤博文や五代友厚、森有礼などの明治維新に大きく影響を与えた人物達が学んだことで有名だ。

 鄒は入学当初はロンドン中心部の寮に入っていたが、半年後にはロンドン有数の歓楽街といわれる「エレファント・キャッスル」地区の豪華マンションを借りて生活している。同地区は大学から南に電車で30分の距離だ。

 鄒が、不動産屋で、マンションを探す際に出した第一条件は「部屋の遮音性が優れていること」だった。彼が選んだ部屋は46階建て高層マンションの39階にあり、家賃は月4000ポンド(約79万円)と極めて高級な部屋だ。

一年間で100人の女性と

 鄒は博士課程では学業そっちのけで、薄くなった髪の毛を気にして植毛をしたり、眼瞼形成術、顎形成外科、歯科矯正などの美容整形に多額の金を費やしたりしている。その一方で、毎晩ナイトクラブやパーティーに足を運び、目星をつけた女性をマンションに誘うなどしていたという。鄒は誘った女性に気を許すと、1年間で100人以上の女性と性的交渉を持ったと自慢していたというほどだ。

 英国留学の目的は、いかに女性と関係するかということになっていたようだ。鄒は2019年9月から、一時帰国した期間を除いて約5年間、ロンドンに滞在しているが、裁判では中国語の通訳を頼んでいる。彼の英語の能力は察しがつこうというものだ。

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