恩人のはずの山尾志桜里氏に“追い落とし工作”を… 存在感増す「国民民主党の新女帝」とは

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賛否を呼んだ「山尾切り工作」

 その時に彼女が取った行動はいまも賛否を呼んでいる。山尾氏をよく知る同党関係者が明かす。

「実は公認を発表する直前の5月初旬、党から山尾氏本人に“愛知県内に選挙事務所と後援会事務所をつくるな”“愛知の支援者名簿は使うな”との通達がありました。まるで落選させたいかのような内容に驚き、理由を党幹部に聞くと、愛知県連から党本部に同趣旨の要請があったという。それを裏付けるように、ある党職員が“通達文は私が書く”と伊藤さんが話していたのを聞いたそうです」

 もともと東大法学部から検事になった山尾氏に対し、伊藤氏は就活で「100社落ちた」ことを公言し、入社したテレビ大阪では営業局に配属され汗をかくなど、その歩みは対照的。「エリートと雑草」と揶揄されたこともある。彼女にすれば、“不倫の山尾”は絶対ダメだということだろう。

 伊藤氏に取材すると、

「事実ではありません」

 党に確認を求めると、山尾氏が離党の意思を示していることを理由に、

「(彼女との)合意や協議の内容は(中略)その存否や有無を含めて回答は差し控えます」

 と榛葉幹事長名で答えた。

 国民民主党では来年に代表選が予定されているが、早くも伊藤氏を推す声が広がっていると話すのは、前出の所属議員だ。

「二人は20年の結党後初の代表選で一騎打ちを演じていて、玉木氏が勝利したものの国会議員票では同数でした。次に伊藤さんが出れば、今度は本当に勝つかもしれない。でも“玉木の看板を下ろせば、票が離れる”との声も多く、ワンマン政党のジレンマを感じています」

 党首が交代すれば、少なくとも「不倫性党」の汚名は返上できるかも。

週刊新潮 2025年7月3日号掲載

ワイド特集「たまるか!」より

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