親切な飲み会の幹事にこそ伝えたい…「ビールが好き」と「クラフトビールが好き」は結構大きな違いだという真実
もはやワインに近い扱い
普段から好きな食べ物や飲み物を公言していると、会食・飲み会の予約やお土産でそれらを選んでくれる親切な人がいる。辛いものが好き、といえば激辛の羊の串焼き屋を予約してくれたり、「551蓬莱の豚まん」好きを公言していたら大阪土産で買ってきてくれたりもする。
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非常に嬉しいのだが、ビールの場合は時に「そのご厚意は嬉しいのですが……ゴニョゴニョ(複雑な思い)」ということがある。これは丁寧な人かつグルメな人特有の考え方なのだが、ビール好きを公言している私のために選んでくれた店が、クラフトビールの店やベルギービールの店だったりするのだ。お土産でもクラフトビールを頂戴したりする。
しかし、自分にとっての「ビール」とは、「巨大工場大量醸造CMガンガンビール」なのだ。具体的に言うと、アサヒスーパードライ、サッポロ黒ラベル、キリン一番搾り、サッポロラガー(赤星)、サントリー生ビール、アサヒ生ビール(マルエフ)といった、スタンダードタイプのスッキリとして苦味がそれほどないビールである。海外のビールではバドワイザー、クアーズ、ハイネケン、レーベンブロイ、ピルスナーウルケルといったあたりだ。
プレミアムタイプのエビスビールとプレミアムモルツについては前者がどっしりとし過ぎて重いのと、後者はフルーティーな甘さがある点が苦手である。となるとクラフトビールやベルギービールはエビスとプレモル以上にどっしりしていたり、フルーティー度合いが高い。時にアルコール度数9%といったものもあり、ガブガブ飲む類のものではない。
自分の中でこれらはもはやビールではないのだが、「何が好きですか?」と聞かれた時に「ビール」と言うと、親切な人は「この人は相当ビール通だろうから、オッと驚かせてあげたいな」とクラフトビールやベルギービールの店を案内してくれるのだ。
しかし、大量醸造ビール好き人間にとってこれらはもはやワインに近い扱いになってしまう。ゴクゴク飲んでプハーッ! とやるものではなく、ジルジルと飲んでホー! や、ゆっくり味わって「ベリー系のフルーティーさがありますね」とやるものだ。よって合うつまみにしても、フライドポテトや焼き鳥ではなく、チーズやレバーのパテといったあたりになる。
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