「まさかのデビュー」から歌手生活24年目に突入! “踊らされちゃう歌謡曲”で火がついた竹島宏が愛され続ける、納得の理由
「言われるがまま」にさまざまなタイプの楽曲を歌いこなしてきた日々
そうして、3rdシングル「札幌えれじぃ」からオリコンTOP50入りを果たしているが、歌詞に ♪お前をなくした 大通あたり~♪ とあるように、今の彼の繊細なキャラからは想像できない無骨な言葉遣いに驚かされる。
「その前の『函館哀愁』でも ♪おまえに逢いたい~♪ とあり、当時20代の自分には大人過ぎるのでは、と作詞家の先生にご相談したんです。今から考えたら、すごく生意気ですよね(苦笑)。そうしたら、“お前のためじゃなく、お客様のために歌詞を書いてるんだ”と諭されて納得しました。その後も、いろんなタイプの歌で試行錯誤があったんですよね」
例えば、’08年の8thシングル「恋にやぶれて」では、前川清を目指していたのかと思うほど深いビブラートを駆使しているのが興味深い。ソフトな歌声を持ち味とする今の竹島からは、想像できないほどだ。
「プロデューサーの方から、“お前は、ロングトーンにノリが感じられないからビブラートをかけてみろ”と、言われるがままに歌いました。当時の自分にはそれしか技がなかったし、やればやるほど褒められたので(笑)。
その後も、自分に合う歌を探していこうと、デビュー10年目には弦哲也先生の本格演歌『うたかたの風』にも挑戦しました。とてもドラマティックな内容で、当時の自分には歌い切れなかった部分も多いのですが、そのスケール感から多くの方に応援してもらえるチャンスがいただけたんです」
そんな紆余曲折を経て成長を続けてきた竹島自身に、今の音楽をどのように聴いているのか尋ねると、
「僕は今もCDをメインとしつつ、新しいアーティストはだいたいYouTubeで聴いていますね。最近だと、WHITE JAMという男女3人組ユニットの『Tattoo』という楽曲が、とても衝撃的な歌詞で驚きました。2年ほど前に作られた作品で、最近になってブレイクしたという点も心に残りました。
あと、CDショップにも足を運んで、今、どういうアーティストが流行っているのか……正直、時代についていけてないと思うのですが(苦笑)、CDジャケットのデザインや歌声、作詞の仕方などをインプットするのも大切だと思っています。“歌謡曲”と言われる自分の曲を若い方たちが歌ってくれるとしたら、どんな風になるかな、ファン層を広げるきっかけはどこにあるのかな、といつも考えています。逆に昭和ポップスのほうは、興味が追いつかないくらいたくさんありますね。特に、野口五郎さんは、デビューアルバムに『私鉄沿線』をカバーさせてもらったくらい、自分の歌に共通した世界観を感じています」
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