兄貴だった「長嶋茂雄」さん…よみがえる自主トレ同行の思い出と大切な教え 通夜の席で「丸 佳浩」に思わずかけた言葉とは【柴田勲のコラム】

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昨年の良い時の戸郷が戻ってきた

 やはり大勢が心配だ。7日は8回に登板したけど代打の鈴木大地にいきなりヒットを許した。あとの3人をなんとか抑えたものの全部芯で捉えられていた。

 大勢は投球ゾーンが広い。広いが対戦打者のベルト周辺にボールが集まっている。これでは打たれる。

 ライデル・マルティネスも投球ゾーンが広いけどボールがベルト辺りにはいかない。安心して見ていられる。

 楽天3連戦の大きな収穫は戸郷翔征の投球だ。7回を被安打3で無失点、真っすぐの制球力が良かったし力もあった。フォークも効果的に使える。昨年の良い時の戸郷が戻ってきた。巨人は戸郷と山崎伊織で勝てないと厳しい。

長嶋氏は常に巨人の勝利を願っていた

 それにしても打てない。たまに本塁打で得点しているが、タイムリーが少ない。増田陸と泉口友汰が頑張っているのが救いといえば救いだ。吉川尚輝は本塁打が3本か、物足りない。

 とはいっても、4番不在でチーム一丸となって戦うしかない。首位の阪神とは5.5ゲーム差の4位、これ以上離されるとキツイ。限界だ。せめて3ゲーム差にして追いかけるしかない。

 10日からはソフトバンク、オリックスの本拠地に乗り込んで6連戦だ。勝負の1週間である。

 長嶋さんは常にジャイアンツの勝利を願っていた。巨人ナインは一層奮起してもらいたいと願っている。

(成績などは9日現在)

柴田 勲(しばた・いさお)
1944年2月8日生まれ。神奈川県・横浜市出身。法政二高時代はエースで5番。60年夏、61年センバツで甲子園連覇を達成し、62年に巨人に投手で入団。外野手転向後は甘いマスクと赤い手袋をトレードマークに俊足堅守の日本人初スイッチヒッターとして巨人のV9を支えた。主に1番を任され、盗塁王6回、通算579盗塁はNPB歴代3位でセ・リーグ記録。80年の巨人在籍中に2000本安打を達成した。入団当初の背番号は「12」だったが、70年から「7」に変更、王貞治の「1」、長嶋茂雄の「3」とともに野球ファン憧れの番号となった。現在、日本プロ野球名球会理事を務める。

デイリー新潮編集部

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