兄貴だった「長嶋茂雄」さん…よみがえる自主トレ同行の思い出と大切な教え 通夜の席で「丸 佳浩」に思わずかけた言葉とは【柴田勲のコラム】
「休むことはファンに失礼」長嶋氏の教え
長嶋さんは自主トレをトレーニングではなく、キャンプインするまでの「心構え」の期間だと捉えていた。本番へと気持ちを切り替えるのが大きな目的だった。
なるほどなあと思ったし、あとは「いい選手は休まない」と話してくれた。ケガをしてはいけないということだが、そのためには普段からしっかり練習して試合に備える。
こうも言った。
「ファンがお金を出して長嶋、柴田を球場まで足を運んで見に来る。そんな時に休んだら失礼だろう」
さらには
「給料を球団からもらっているんじゃない。球場に来るファンの方々からいただいている。感謝しなきゃいけない」
長嶋さんはファンをすごく大切にした。日々こんな気持ちを持ってプレーしていたということだ。やはり違うなと感じ入った。
通夜の席で丸に「もっと試合に出ろ」と
長嶋さんとの思い出は尽きないが、さて巨人だ。だらしないな。交流戦に突入していきなりロッテに2連敗、東京ドームでの楽天戦も第1戦目に敗れ、交流戦3連敗した。
この時はアーッと思った。なんとか第2戦目に増田陸、丸佳浩の連続本塁打で勝った。その勝った7日は長嶋さんのお通夜、阿部慎之助監督と丸が東京ドームから駆け付けてきた。
阿部監督が三奈ちゃんに「これをお願いします」とウイニングボールを渡していた。
ちょうどよかった。私は丸に「もっと試合に出ろよ。監督に言えよ」と話した。7日は代打出場での本塁打だった。オコエ瑠偉がスタメン出場していた。
丸は「ボクはそこまでは言えません」と返事をしたが、相手チームはオコエが出るよりも丸の方がよっぽどイヤだ。ケガから復帰してきた。どんどん試合に出るべきだ。
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