“汚染された土地のワインなんか飲めるか” 心無い言葉にもくじけず…福島の除染ゴミ置き場がブドウ畑に大変身! 「大きく変わった景色も味わってほしい」

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未来につなぐ震災の記憶

「今年の生産数は7000本です。これまでは別の醸造所で仕込んでいましたが、自前の醸造所を整備したので、来年は1万本になる予定です。数が少ないためワイナリーだけで販売しています。富岡に足を運んでもらい、大きく変わった景色も味わってほしいですね」

 敷地内には醸造所だけでなく、ブドウ畑を一望できるレストランが併設されているほか、15メートルの津波の衝撃を受けながらも流されなかった“奇跡のケヤキ”や、富岡駅東エリアで唯一残った建物“希望の蔵”が、震災の記憶を未来につなぐ存在として残されている。

 汚染された土地のワインなんか飲めるか――。心無い言葉を浴びせられながらも、めげず、くじけず、造り上げたワイン。すでに海外からの引き合いもあるという。

撮影・福田正紀

週刊新潮 2025年6月5日号掲載

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