70分1.5万円…没入型演劇「イマーシブ・フォート東京」に感じたキビしさ オープン2年目で数々の疑問が

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ダメ出しのアフタードリンク

 訪問したのが平日の日中ということもあるとは思うが、お土産コーナーに客が全くいなかった事も気になった。リピーターを含めた収益を上げるには物販の売上強化も必要不可欠のはずで、この点で早急な改善が求められそうだ。

 最後にダメ出しをさせてもらうと……参加後に提供されるアフタードリンクが、普通のプラカップだったのもすごく残念だった。1万円以上を払った非日常体験の余韻が奪われ、日常に一挙に戻されてしまう。

 イマーシブ・フォート東京は、今までにない体験を提供する楽しい施設ではあるものの、苦戦しているのは明らかだった。そもそも、オープン前にどのような収益モデルで事業を始め、どういう仕組みで採算を取ろうとしたのか?というシンプルな疑問をもってしまった。

 とはいえ、オープン前に描いていた収益モデルが着々と進行し、安定した収益モデルに向かっている可能性もあるはず。そんな今後に期待して、1年後ぐらいにまた違う演目でぜひ楽しんでみたいと思う。

渡辺広明(わたなべ・ひろあき)
流通アナリスト。コンビニジャーナリスト。1967年静岡県浜松市生まれ。株式会社ローソンに22年間勤務し、店長、スーパーバイザー、バイヤーなどを経験。現在は商品開発・営業・マーケティング・顧問・コンサル業務など幅広く活動中。フジテレビ『FNN Live News α』レギュラーコメンテーター、TOKYO FM『馬渕・渡辺の#ビジトピ』パーソナリティ。近著に『ニッポン経済の問題を消費者目線で考えてみた』(馬渕磨理子氏と共著、フォレスト出版)がある。

デイリー新潮編集部

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