採用面接で「仲良くなくても仕事はできる」と言い放つ…就職率98%で量産される“史上最強世代”をどう扱う?

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「社長の私がマスクを取ってと言ったのに、無視された」

 お手伝いをしているある会社の人事担当Cさんから相談を受けました。

「マスクのマナーはどこまで介入できるのでしょうね」というのです。

 よくよく話を聞いてみると、

「うちの社長が取引先に新入社員を連れて挨拶に行き、『うちの新入社員です』と紹介した際、その新人がマスクをしたままだったので、『挨拶のときくらいマスクを取ったら?』と言ったところ、その新人は聞こえているのかいないのか、社長の命令を無視してマスクをしたまま、最後まで無言で押し通したのです」

 Cさんの会社は小規模な不動産会社。新入社員といっても毎年1人か2人で、Cさんは今年、その教育係を任され、いわゆるメンターとして2人を見ていたそうです。

「取引先から戻ってきた社長が私にこう言うんです。『困るよ、C君。取引先に連れて行った新入社員のUさんがマスクをしたままでね。相手の社長もあっけに取られた顔をしていたよ。それはそうだよね。社長の私がマスクを取ってと言ったのに、無視して取らなかったんだから。確かにマスクを取る取らないは個人の自由かもしれないし、風邪なら風邪と一言理由を言ってくれればよかったんだけどね。これを社長の権威の失墜だなんて大げさに言うつもりはないけど、新人研修は見直すべきかなー?』と」

 その会社では新入社員研修は独自には行っておらず、商工会議所で数社が集まって行うマナー 研修を1日だけ受講してもらって、それから現場に配属してOJTを行うという形にしているそうです。

「この場合、教育係の私が謝るべきなんでしょうか? 普通、私だったら社長にマスクを取ってと言われたらマスクを取りますし、特に取引先の前ですから、社長のメンツもあるし、指示には従います。取れないなら取れない理由を言うべきですよね」

「テレワークでは化粧をしないので、WEB会議は画面オフがいい」

 特にマスクについては、コロナ後はするかしないかは、本人の意思に任せるという運用なのかもしれません。電車の中ではわかりませんが、そんなにコロナが蔓延している時期でもないので、マスクを取ってご挨拶するのは割と普通になっているかと思います。

「なぜ彼女がマスクをしていたのかは聞いておりません。風邪だったのか何かもわかりませんが、化粧していない程度のことなのかなとも。マスクについて社内規定を作るのもおかしなものです」

 確かに、マスクと化粧の問題については、化粧をする人としない人とでは、受け止め方や重要度が違うかもしれません。化粧をしない男性からすれば、化粧していなくても、口紅をつけていなくてもどうでもいいじゃないかと思いがちですが、化粧をする女性にとってはそう簡単なことではありません。

 コロナ禍のテレワークでの化粧問題には、他にもびっくりする事例がありました。

「自宅でテレワークするので、化粧はしたくない。会議もずっと画面オフのまま出たい」

 どこまでがマナーでどこまでが個人の自由なのか。この境界は世代によって違いが大きく出るところでしょう。 マスクをするしないについては、個人の自由が大きいものだと思います。

 ですが、ビジネスの場で「顔合わせ」というように、お互いの顔を知っておきたい場面ではマスクを取るのがマナーでしょう。もしもどうしてもマスクを取れない突発事項、例えば風邪で咳が出る、大きなできものができているなどのときは、マスクをしている理由をしっかり話すほうが社会通念上は良いとされると思います。当然のことながら、顔を合わせる というのは、顔の美醜を見定めるということではありません。

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 この記事の後編では、引き続き『若者が去っていく職場』(上田晶美著、草思社)より、「配属ガチャ」と「異動ガチャ」の繰り返しが一般的だった日本企業と、20代の若者と間に生まれている「キャリア観」のズレについて、その構造を解説している。

『若者が去っていく職場』(上田晶美著、草思社)

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【著者の紹介】
上田晶美(うえだ・あけみ)
株式会社ハナマルキャリア総合研究所代表取締役。1983年、早稲田大学教育学部卒業。同年流通企業に入社し、広報、人事教育などを経験。1993 年、日本初のキャリアコンサルタントとして創業。大学生の就職、社会人の転職、主婦の再就職 の支援に携わる。これまでに約2万人の相談を受けてきた。現在は100人の講師が登録する会社を経営しながら、「仕事の悩みをゼロにする」ことを目標に活動中。テレビ、ラジオにも出演多数。都内の大学で講師を務める。近著に『女子が一生食べていける仕事選び』(草思社)がある。

デイリー新潮編集部

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