憧れた「長嶋茂雄」さんの訃報に驚き…巨人ナインはより一層の奮起を 「坂本勇人」はすぐにでも1軍に上げるべきだ【柴田勲のコラム】

  • ブックマーク

阿部監督は坂本の心意気を引き出してやるべき

 そうじゃない。いまは巨人の危機、お前の力が必要なんだ。阿部慎之助監督は坂本をこう励まして心意気を引き出してやるべきだろう。なぜやらないのか、分からない。

 坂本がベンチにいて大声を出して若手を鼓舞する。野球への姿勢を見せる。打席に向かう選手にアドバイスを送る。これだけでもチームの雰囲気は変わる。第一、坂本はまだまだやれる。

 阪神の大山悠輔は本塁打2本だが、打席に立つだけで相手投手は警戒する。打率2割4分ながら四球数は中野拓夢と並んでリーグ最多の23だ。坂本は相手投手にとってはまだまだイヤな存在だ。

 中山礼都や砂川リチャードを使うよりもよっぽどいいと思うのだが。声を大にして言いたい。早く坂本を上げろと。

焦らないでドッシリと構えてほしい

 阿部監督はデータなのか、なにを基準にしているのか、打順をクルクルと変える。これでは出場している選手の腰は定まらない。プレッシャーを感じてしまう。どうしてもボーンヘッドが多くなる。結果をすぐに出せなければ2軍落ちだ。

 選手たちには明るく、そして伸び伸びとやらせることが基本だ。阿部監督は焦らないでドッシリと構えてほしい。

 3日からは交流戦が始まる。ZOZOマリンでロッテ3連戦、そして東京ドームに帰って楽天3連戦だ。現在、首位・阪神に3ゲーム差の3位、貯金は4だ。頑張っている。この6連戦をうまく乗り切り、波に乗ってもらいたい。大いに注目している。

(成績などは2日現在)

柴田 勲(しばた・いさお)
1944年2月8日生まれ。神奈川県・横浜市出身。法政二高時代はエースで5番。60年夏、61年センバツで甲子園連覇を達成し、62年に巨人に投手で入団。外野手転向後は甘いマスクと赤い手袋をトレードマークに俊足堅守の日本人初スイッチヒッターとして巨人のV9を支えた。主に1番を任され、盗塁王6回、通算579盗塁はNPB歴代3位でセ・リーグ記録。80年の巨人在籍中に2000本安打を達成した。入団当初の背番号は「12」だったが、70年から「7」に変更、王貞治の「1」、長嶋茂雄の「3」とともに野球ファン憧れの番号となった。現在、日本プロ野球名球会理事を務める。

デイリー新潮編集部

前へ 1 2 3 次へ

[3/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。