元BOØWY高橋まことがレッド・ウォーリアーズ参加 ユカイが明かす「45年の友情が生んだ舞台裏」
1980年代の日本のロックシーンを代表するバンドのひとつ、レッド・ウォーリアーズに、元BOØWYのドラマー、高橋まこと(71)が参加することが発表された。80年代ロックを知る世代なら胸が熱くなっていること必至のこのニュース。背景を当事者であるレッド・ウォーリアーズのボーカル、ダイアモンド☆ユカイ(63)に独占インタビュー。ユカイは現在、喉に問題を抱えていることも明かした。【華川富士也/ライター】
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【写真】今年結成40周年を迎えたレッド・ウォーリアーズ 高橋を迎えたツアーは6月から始まる
80年代にロックを愛した世代は、ニュースを聞いて大きな衝撃を受けただろう。
85年に結成され、86年にレコードデビューするや、1年2ヶ月後には武道館公演、その半年後に西武球場でスタジアムライブを行い、4枚のアルバムを残してデビューからわずか3年で解散したレッド・ウォーリアーズ(以下レッズ)。そして81年結成、82年にレコードデビューし、当初は売れずにレコード会社を転々としたものの、85年ごろから着実に人気が高まり、86年に大ブレイク。しかし翌年12月に解散を発表し、88年4月に解散したBOØWY。どちらも日本のロックシーンを大いに盛り上げ、ファンを熱くした伝説のバンドだ。
レッズは解散後にオリジナルドラマー抜きで再結成し、サポートドラマーを迎えながら活動を続けてきた。そして今年、結成40周年を迎えた。その記念すべき年に元BOØWYのドラマー高橋まことが参加し、6月8日のライブ「THE ROCK SHOW」(LINE CUBE SHIBUYA=渋谷公会堂)からダイアモンド☆ユカイ、木暮武彦、小川清史と共に4人でのツアーが始まる。
いったいどういう経緯でこの話がまとまったのか。過日、神奈川県横浜市で行われたギタリスト・エディ藩さんの通夜に参列していたユカイに話を聞いた。
45年の友情が生んだ“合流”の舞台裏
高橋のレッズ加入について、ユカイはこう語った。
「まことさんとはさ、BOØWYに入る前、1980年ごろからの古い付き合いでね。当時、まことさんはシャケ(木暮)と『ストレート』というバンドをやっていたり、まあ、昔からの仲間なんだよ。実はレッズを組んだばかりの頃、ライブがあるのに当時ドラマーだったコンマ君(小沼達也)が旅行に行っちゃって、すでにBOØWYに入っていたまことさんに叩いてもらったこともあったよ」
シャケと高橋が組んでいたバンド「ストレート」は、ヤマハ主催のアマチュアバンドコンテスト「イースト・ウエスト」に出場し、埼玉予選を通過していたが、高橋がBOØWYに加入するために脱退した。1981年のことだ。
その後、シャケは82年に「レベッカ」を結成するも、85年にドラマーの小沼達也と共に脱退。シャケ、小沼とユカイ、ベースのキヨシ(小川)の4人で結成したのがレッド・ウォーリアーズだった。違うバンドに所属していたが、ユカイ、シャケと高橋は、45年来の友人だったのだ。
また1998年には、ユカイ、高橋、ギターのichiro、ベースの明石昌夫という超一流メンバーで「MMR」を結成し、1年間活動したこともあった。2023年9月に再結成ライブも行っている。ユカイと高橋の交流は途切れることなく続いていたことになる。
では、今回、高橋のレッズへの参加を提案したのは誰か?
「1年ちょっと前かな。再結成以降のレッズを担当してくれているプロデューサーから、『まことさんをドラマーに起用しないか』と話があった。その直前にまことさんとMMR再結成で一緒に演って、スネアの音がすごくいいし、歳をとって、プレイもまとう雰囲気も一段とかっこ良くてね。いまレッズで一緒にやったらすごく面白そうだと思って、すぐ賛成したよ」
ユカイにとって、高橋と同じステージでプレイすることは「外野が思うよりもずっと自然なこと」だという。
「世間では“BOØWYの高橋まこと”ってイメージが強いと思うけど、古い仲間だし。俺自身は一緒にやることに全然不思議な感じもしないんだ」
このメンバー編成になったことで、どんな化学変化が生まれるのか、6月のライブに期待が集まる。
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