「持ち株の時価総額20億円超で配当金だけで年間数千万円」 森山裕幹事長の素顔とは 「気配りの人で、記者にはお菓子、配達員にも飲み物を」
世論の反発を招いた、裏金議員への2000万円支給
だが、その氏のある振る舞いが昨年の総選挙で世論の反発を招くことになる。
「自民党は非公認の裏金議員に政党助成金2000万円を支給し、その問題を選挙終盤で赤旗が報じたのです。森山氏が裏金議員を慮って配布を主導したのですが、彼は時に世間の風を見誤るところがある」(前出のデスク)
ならば、強硬な消費減税反対の主張もまた世論を見誤ったものになるのか。
再び森山氏本人に尋ねると、
「消費税は生みの親といわれた山中(貞則)さんが、政治生命を懸けて作られた制度です」
そう述べて、氏が地盤を引き継いだ山中氏の偉業である点を強調。これほどまでに消費減税に反対する理由の一つに、故郷の先輩政治家の衣鉢を継がねばとの思いがあったようだ。
さらに、
「今後も高齢化が進み、社会保障は増えていきますが、人口減少により支え手は減っていきます。そうした中で、全世代で支え合うことのできる消費税を減税すれば、働く現役世代に負担が偏り、日本の将来を担う世代にさらに大きな負担を強いることになりますので、責任政党として、その税率を引き下げることは適当ではないと考えております」
しかし、森山氏の座右の書で、郷里の偉人・西郷隆盛が著した「南洲翁遺訓」は〈租税を薄くして民を裕(ゆたか)にするは、即ち国力を養成する也〉と説く。無論、財政規律は重要だが、今般の判断が夏の参院選に影響を与えるのは間違いなかろう。
前編【「防空壕で生まれ、極貧の幼少期」 石破首相も頭が上がらない森山裕幹事長の知られざる素顔】では、森山氏の生い立ちについて、本人へのインタビューを交えて報じている。
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