「コイツだけは地獄に堕ちて欲しい」首都高6人死傷事故・初公判 遺族が絶対に許せない「被告人を睡眠不足に陥らせた不倫LINE500通」と「事故3カ月後の獄中再婚」
事故直前にも運転しながら不倫相手に「めっちゃ美味しそう」とLINE
帰宅後も療養に努めず、不倫相手へのLINEも続けた。
「午後7時16分頃から翌14日午前1時41分までの間、『全身汗だく 熱は7.3だいぶ下がった』『喉の片側だけ痛いのと熱がまだ上がってきてて市販の風邪薬効かない』などの体調不良の話や仕事の話、女性の家族の話などについて断続的にメッセージのやり取りをして睡眠を十分に取らなかった。その頃までの間に抗ヒスタミン剤である風邪薬を合計5回服用した」(検察側の冒陳より)
そして1時間ほどの睡眠で午前3時頃には起床。再び仕事に出掛けて事故を起こすのである。
会社で代替要員の申告ができた状態だったにもかかわらず、仕事を休むと言えなかった理由として検察官が述べたのは「借金」だった。
降籏被告は、23年6月にも勤務中に事故を起こして罰金70万円に処されていた。罰金が払えず、会社に金を借りていたため「会社に迷惑をかけられない」「事故を起こすことはないだろう」と考えたという。
事故を起こす30分ほど前に、20回以上、車線を踏み外すなどふらふら状態だったが、事故直前まで、右手でハンドルを操作しながら左手で携帯電話を操作し不倫相手へのLINEを続けていた。
事故を起こす28分前の7時8分頃には、愛人がLINEで送ってきたお弁当の画像に対し「めっちゃ美味しそう」と返信。風邪をひいてから事故を起こす直前まで続いた4日間で愛人と交わしたLINEは500通に及ぶという。
検察官は、事故翌月の24年6月、降籏被告が前妻と離婚し、8月には別の女性と“獄中再婚”していた事実も明かした。供述調書を確認した遺族によれば、再婚相手はLINEしていた女性とは別の女性とのこと。LINEしていた女性には不倫していた自覚はなく、妻とは別れていて独身と嘘をつかれていたという。
事故4日前の10日には、飲酒していて、不倫相手に「やめた方がいい」と止められていたにもかかわらず、車に乗って会いに行っていたことを示す証拠LINEも読み上げられた。
法廷に響きわたった遺族の嗚咽
法廷では事故発生時の証拠映像が流された。ドライブレコーダーには、ブレーキを踏まずに時速約70キロで前の車に激突し、フロントガラスに激しい衝突音と共にバリバリと亀裂が入るまでの生々しい様子が映っていた。監視カメラ映像には、ぶつけられた車から炎が上がる様子が映し出された。
この映像が流れると、遺族席から大きな嗚咽が響き渡った。だが降籏被告はみじろぎもせず検察官の話を聞き入ったままで、閉廷するまで涙ひとつこぼすことはなかった。
遺族側によれば、降籏容疑者や会社側から一度も謝罪や示談交渉の話が来ていないという。
かくして公判後の記者会見で、遺族は冒頭のような怒りの言葉をぶちまけたのである。「死んで欲しい」と訴えたのは、夫の杉平裕紀さんを亡くした妻の智里さん。杉平さんは高校生と中学生の2人の子供がいたが、事故に巻き込まれて帰らぬ人となった。
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