「生野菜には落とし穴も」「ゆでるよりもレンチンの方が…」 減少し続ける日本人の野菜摂取 認知症対策にもなる取り方とは

ドクター新潮 ライフ

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物価高対策にも

 栄養価の話で言うならば、よく知られた話として、栄養の詰まった野菜の皮を捨ててしまうのも、とてももったいないことです。分かってはいても、いかんせん皮は固くて食べにくいという人には、あえて厚めに皮をむき、きんぴらとして活用するのがお勧めです。他には、皮を素揚げしてチップスとして食べたり、ベジブロス(野菜のだし)に利用したりするのも手です。

 皮の活用は、野菜の摂取量を増やす以上に、昨今の物価高対策としても役立ちます。キャベツ1キロが500円以上という異常な野菜の高値は落ち着いたとはいえ、まだまだ野菜の価格は高止まりしていて家計に大きな打撃を与えています。ですから、皮の活用は栄養摂取と家計負担削減の面から考えて一石二鳥なのです。また、スーパーでキャベツを買った人が、一番外側の葉を据え置きのごみ入れに捨てていく光景をよく目にしますが、いつももったいないなと思いながら見ています。

ノンオイルドレッシングはかけ過ぎに注意

 続いて、「栄養素の効率的摂取」に関してお話ししたいと思います。先ほど生野菜の落とし穴について説明しましたが、生野菜サラダを食べる際にヘルシーなノンオイルドレッシングを使うことにも、実は落とし穴があります。ノンオイルドレッシングを使っている人の中には、健康意識が高い人が多いはずです。それ自体はとても素晴らしいことなのですが、実は緑黄色野菜に多く含まれるβカロテンは脂溶性であるため、ノンオイルドレッシングをかけるとβカロテンが効率よく吸収できない可能性があるのです。

 加えて、確かにノンオイルドレッシングはエネルギーと脂質は少ないものの、その分、食塩相当量が多い。生野菜サラダにノンオイルドレッシングをかけているから健康面ではバッチリ、とは言い切れず、ケースバイケースなので、やはりかけ過ぎには注意が必要です。なお、高齢者でエネルギーの摂取量が不足がちな人は、ノンオイルドレッシングではなく、オイルの入ったドレッシングでその不足を補うという発想もありでしょう。

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