母に説教され「行きたくない」と風呂に入らずオーディションへ…元48アイドルの美女が“嫌々はじめた”活動を10年続けた理由

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「なんで受かっちゃったんだろう」

――SKE48のオーディションに受かった北野さんですが、合格してからもまだ嫌だったんですか?

 嫌でした(笑)だから最初はすぐ辞めようって思っていたんですけど、それを母親が止めて。母親の方がノリノリというか、家族もみんな私が合格したことに盛り上がっちゃって。私だけが「なんで受かっちゃったんだろう」ってなってました。

 同期もアイドルになりたいとか、SKE48が大好きで入ってきた子が多かったんです。でも私はAKB48グループは好きだけど、別にアイドルになりたいわけじゃない。なんか申し訳ないし、レッスンについていける自信もなくて。

――SKE48ってAKB48グループの中でも体育会系のイメージがあります。

 そうなんです。円陣を組んで「行くぞ」みたいな。私はそれまで何か一つのことに向かって頑張ってこなかったから、そのノリについていける自信もなくて。だからずっと「辞める」って言ってました。

 でも、半年くらいたつと気持ちも変わってきました。レッスンはダンスの基礎から学ぶので厳しいんですけど、仲間と一緒に頑張っている感じが心地よくなってきて。

 同期の中でも私は一番年下だったんです。お姉さんたちに甘えたり、大須商店街とか、栄の街でお買い物とかいろいろなところに連れて行ってもらってました。それがすごく新鮮で。毎日が楽しくなっていきました。

お世話になった先輩3名の名前

――当時の研究生だと松村香織さん(SKE48で長らく昇格できず、ついには終身名誉研究生となった人物)がいますね。

(松村)香織さんはめちゃくちゃ厳しかったです。同じ研究生だけど大先輩なので。ほかにも当時は4期、5期の先輩も研究生にはいっぱいいて、公演を一緒にやるのが怖かったです。やっぱり先輩方からしても、研究生が増えると、自分が昇格できる確率も下がるので。実際、後輩が先に昇格していくこともある世界だったので。

 でも、逆にそういう先輩がいたからこそいろんなことを学べたし、良かったなって。最初は「え、何あの先輩?」って思ってたけど(笑)。挨拶とか、楽屋での振る舞いとか、先輩に対しての礼儀っていうのは厳しく教えられましたね。

――昇格してからとか、お世話になった先輩は?

 先輩で言ったら、香織さん、大場美奈さん、高柳明音さん。チームKIIに昇格して一緒に過ごした時間が多いのはやっぱりその3人ですね。今でも会って相談しますし、その人たちの存在は大きかったなって思います。厳しいんですけど、でも優しさもちゃんとあって。

 今はすごく後悔しているのですが、2017年に初めてシングルの選抜メンバーに入ったんですが、全然楽しめていなかったんですよね。変に期待されすぎていて。 ちょうどその選抜メンバーに入る前くらいから、バラエティー番組で、注目してもらえる機会があって。

――「AKBINGO!」で先輩メンバーに暴言を吐いて、“名古屋の狂犬”として注目を浴びたときですね。

 そうです。その後に選抜メンバーに入ったので、期待に応えるのがしんどくなってしまって。そういう時も香織さんたちは「こういう風にした方がいいよ」とか「もっとこうしなよ」と言ってくれて。

 逆に、シングルの選抜メンバーから落ちたときに心が折れてしまったことがあって。反抗期ではないですが、スタッフさんの言うことも聞かないみたいな時期があったんです。そういう時に怒ってくれたのも3人の先輩でした。結局言うことを聞かなかったのですが(苦笑)。

 でも、今思えば、怒ってくれるってありがたいし、逆に言われなくなったら終わりだなと思います。

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