「ごはん1杯はコンビニのサンドウィッチより安い」と主張のJA組合長が炎上…「江藤農水相」は「コメの価格は市場が決めるべき」との態度を崩さず
パンより安いパスタ
三菱総合研究所は4月3日、「『おコメが高いから、パンにしました』ってホント? 食料安全保障と農業のキホンの『キ』(8)」との記事を配信した。記者が言う。
「三菱総合研究所は昨年4月、コメと食パンの価格を比較しました。当時、コシヒカリは5キロ2292円で売られていました。そこから《お茶碗1杯=150グラム》のコメは約30円だったそうです。一方、4枚切りの食パンは1枚42円。6枚切りは1枚が28円で、2枚だと56円でした。コメはパンよりリーズナブルだったことが分かります。ところが今年2月の5キロ4363円で計算すると、茶碗1杯は57円。4枚切りパン1枚は48円、6枚切り1枚は32円と、場合によってはパンのほうが安いことが分かったのです」
ひょっとすると田中氏はコメより食パンが安いことを知っていたので、あえてコンビニのサンドウィッチと比較したのではないか──と邪推したくなる。
さらに三菱総合研究所はパスタだと4枚切りパン1枚よりさらに安いことを明らかにしている。
2月のパスタ1袋の価格は278円。この1袋には330グラムから260グラムのパスタが入っており、1食80グラムで計算すると47円。4枚切りパンの48円より1円安い。
コメは市場原理に任せるべき!?
「消費者のコメ離れは加速する一方です。全国のスーパーでパスタとパン、それにうどんの売上が伸びています。2022年2月、ロシアがウクライナに侵攻を開始すると、小麦の価格が高騰しました。日本でもパンの価格は上昇しましたが、国の『小売物価統計調査』を見ると2022年、東京都区におけるコシヒカリ5キロの価格は2288円でした。今とは比較にならない安価な値段だったので、『日本人はコメが主食なので小麦高騰の悪影響が最小限に抑えられている』、『農家の皆さんがコメを作ってくれているので助かる』という世論が大勢を占めていました。もしコメが安定した価格で今も販売されていれば、コメ離れどころかコメの需要は着実に増え、販売量の増加で農家の皆さんの収入もほんの少しは増えたのではないかと思います」(同・記者)
江藤拓・農林水産大臣は4月25日に大臣会見に臨んだが、これほど国民がコメの高騰に苦しんでいるにもかかわらず、
「行政は、価格にコミットするというのは正しくありません。この経済の中において、物の値段は米に限らず、工業製品も含めて、市場で決まるというのは大原則です」
との考えを示した。
確かに市場で価格が決まる工業製品なら日本製が高い場合、相当数の人が安価な外国製を躊躇なく買うだろう。
[2/3ページ]

