西郷真央が制した米女子ゴルフ「シェブロン選手権」 なぜ「ギャラリースタンドはガラ空き」だったのか

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チャンピオンズ・ダイブ継続への努力

 その際、伝統儀式のチャンピオンズ・ダイブが消滅の危機に瀕し、選手たちからもファンからも落胆の声が上がった。

 ミッションヒルズでは、優勝者は18番グリーン脇のポピーズポンドと名付けられた池に飛び込むことが習わしだった。カールトンウッズの18番グリーン脇にも池はあるのだが、人間が飛び込むことは想定されずに造られた池だったため、水は汚染されており、ゴツゴツした岩が飛び出ている池底にはワニやヘビもいて、「飛び込むことは危険すぎる」と見られていた。

 しかし、シェブロンと大会関係者は、伝統儀式を継続させたい一心で、水を浄化し、池底は岩を移動させた上で、ワニやヘビが近寄らないよう巨大なネットを張り巡らせ、ダイブ可能なレベルまで安全性を高めた。

 その努力が実り、2023年の優勝者リリア・ヴも、2024年のネリー・コルダも、そして今年は西郷もチャンピオンズ・ダイブを行った。その姿を見て、大会関係者は「歴史がつながった」と胸を撫で下ろしたそうだ。

次の課題はギャラリー数の増加

 チャンピオンズ・ダイブを継続させることは、大会側にとって最初の難関だった。第一関門はなんとか突破できたのだが、それで喜んでばかりはいられない。まだまだ課題はいくつも残されている。

 何よりの課題は、どうやって観客を増やすかである。日本の女子の試合には大勢のファンが詰めかけているため、ゴルフの本場、米国の女子ゴルフのメジャー大会となれば、「さぞかしスケールは大きいだろう」「さぞかし賑やかに違いない」と思われがちである。

 しかし、現実は必ずしもそうではなく、今年のシェブロン選手権最終日は、米ゴルフウィークの記者が「ラスト2組のスタートの際も1番ティのギャラリースタンドはガラ空き」と記した写真をSNSで発信。ギャラリーがあまりにも少ないことを嘆いていた。

 観客が少なかった原因の1つは、この大会の存在がヒューストン近辺で、まだしっかり認識されていなかったからではないかと見られている。

 同じ週の週末に、近郊でトライアスロンのビッグイベントが開催され、注目が分散されたこと、カールトンウッズが歩いて観戦するには「歩きにくい」形状のコースであることも、入場者数が低迷した原因だったと大会関係者は分析している。

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