米棚が空っぽのスーパーも多いのに「3000円前半のコメが報道されるように…」 江藤農水相「謝罪」のウラでまたもや消費者感情“逆なで発言”

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認めない政策ミス

 こうなると江藤農水相の反省は、何のための反省なのか全く分からなくなってくる。

「現在では『昨夏に素早く備蓄米の放出を決めていれば、これほどコメの価格は高騰しなかった』という分析は広く共有されており、コメの集荷業者、流通業者、元農水省キャリア官僚、大学教授など、多くの関係者と専門家が『正しい分析だ』と認めています。つまり江藤農水相は予算委で『値上がりが一時的なものと判断したことが何より間違っていました』と反省する必要があったはずです。ところが口にしたのは逆の擁護発言でした。これでは反省が口先だけであり、『絶対に政策ミスではない』という本音を隠し持っているように見えてしまいます。原点のミスを認めていないのですから、今回の会見での謝罪も額面通りには受け取れません」(同・記者)

 ちなみに、2月の予算委では他にも江藤農水相の答弁が問題視された。産経新聞(電子版)が2月7日、「『貧乏人は麦を食え』は誰の発言か…クイズ質問に江藤拓農水相、答えられず 衆院予算委」との記事を配信しているのだ。

 産経新聞は、れいわ新選組の共同代表を務める櫛渕万里議員が「『貧乏人は麦を食え』と言ったのは誰か」と質問すると、江藤農水相が「不勉強で知識がない」と答弁したことを伝えた。

産経新聞も江藤農水相に“苦言”

 この「貧乏人は麦を食え」は、現在と同じようにコメの価格が高騰していた1950年12月、参院予算委員会で当時の池田勇人蔵相が「所得の少ない人は麦を多く食う」という「経済の原則」について言及したことを指す。翌日の新聞各紙が「貧乏人は麦を食え」と報じたことで池田蔵相に国民の批判が集中した。

 つまり江藤農水相は「池田勇人氏」と答弁すべきだったが、それができなかったというわけだ。

 産経新聞は《国会質疑での「クイズ質問」には以前から批判がある》と櫛渕議員の質問を問題視しながらも、《多くの政治家が知っているエピソード》だとも指摘した。

 暗に江藤農水相の勉強不足も批判したと読むべきだろう。実際、父親の江藤隆美氏なら難なく即答したに違いない。

 話をデイリー新潮に戻すと、2回目の記事は【再び「コメ5キロ5000円」突破が秒読み段階! 沖縄ではすでに「5000円超」まで高騰も…江藤農水相「トイレットペーパー騒動と同じ」発言への強烈な違和感】とのタイトルで4月18日に配信した。

 江藤農水相は4月1日の大臣会見で備蓄米の放出について記者から質問されると、いきなり「トイレットペーパーがオイルショックの時になくなりました。各ご家庭で、家庭の暮らしを守るためにみんなが買ったので、一気になくなりました」と切り出したのだ。

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