トランプ「ワンマン政権」に米国で高まる不満…100年前に滅んだ統治スタイルが復活、金融市場のさらなる混乱は必至か

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2度目の本格的な反トランプ・デモ

 トランプ2期政権が誕生してから4月20日で3カ月が経過した。

 この間に署名された大統領令は130本に上り、戦後最多だったバイデン前政権の3倍を超えた。一方、連邦議会で成立した法律の数は最少だ。政策を決定する権限がホワイトハウスに集中する構図が鮮明となっている。

 トランプ「ワンマン政権」に対する不満が米国内で高まっている。

 トランプ政権の強硬な政策運営に抗議する大規模デモが19日、ニューヨークやワシントンなどで行われた。本格的な反トランプ・デモとしては今月5日に続いて2度目だ。

 トランプ氏の権力行使が18世紀に確立された米国憲法上のチェック・アンド・バランス体制を試練にさらしているとの危機感から、デモ参加者は「米国に王はいらない」「専制に抵抗せよ」などと訴えた。

大統領令を抑え込む唯一の存在

 共和党が多数を占める連邦議会がトランプ氏の政策に同調している中、次々と繰り出される大統領令を抑え込む唯一の存在となっているのが連邦裁判所の判事だ。

 米国の世論はトランプ政権よりも司法を支持している。

 ロイターが3月下旬に実施した世論調査によれば、「米国の大統領はたとえ自分の望ましいことであっても連邦裁判所の決定に従うべきだ」との回答が82%に達し、民主党支持者と共和党支持者の両方で賛成が過半数を超えた。

 だが、トランプ氏は自分に不利な判決を下す判事を攻撃する姿勢を取り続けており、米連邦高等裁判所は17日、トランプ政権に対し、司法との対立を避けることを求める異例の声明を発出した。

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