無視、執拗なダメ出し、「マイクを草むらに隠されたこともありました」 「国民民主党」パワハラ騒動 被害を訴えた女性市議の告白
広がった距離
何があったのだろうか。工藤市議には思い当たる節があったという。
「初期の頃に、岡野さんから“明日から朝6時に駅頭に立ちなさい”と言われたんです。でも、グッズやもろもろの準備もしなくてはいけないのですぐには動けない。また、ちょうど上の子が小学校を卒業する時でした。私は毎朝、子どもが登校時、家から見えなくなるまで後ろ姿を見送ろうと決め、6年間続けてきましたので、最後にそれが出来なくなってしまうのも嫌でした。また、岡野さんの行動に納得できない部分もあった。例えば、駅頭に立つ時なども、バス停の後ろやコンビニの駐車場に車を停めっぱなしにしたりしてしまうこともあるんです。彼女はそうしたことを薦めますが、私が嫌だったので断ることも。彼女としては“何で言われた通りにやらないの”という思いがあり、私と距離が出来てしまった気がします。実際、“あなた、思っていたのと違うわね”と言われたりもしました。さらに、選挙の直前には国民民主党からもう一人別の候補者を立てようとしていて。結局、それは頓挫しましたが、私のことを気にいらなかったのは事実です」
こうして半ば「放置状態」に置かれた工藤市議。途方に暮れたものの、1人でやるしかないと決意し、また、国民民主党の県連や他市の市議などに指導と協力を仰ぎ、何とか選挙戦を戦い抜き、見事当選を果たした。
一方、岡野氏は補選で落選した。
「パワハラですね」
こうして市議となった工藤氏。後継として出た以上、政策の引き継ぎを含め、岡野氏の助けは必要だった。しかし、
「やはり協力は得られませんでした。事前に市のことや市議としての立ち居振る舞いは私が全部教えてあげるから、と言われていたんですが……。市政ではわからないことばかりでした。私からも本当なら岡野さんを頼れば良かったんですが、選挙戦で溝が出来たこともあり、それをしなかった。同期や先輩の市議にいろいろ聞いて、何とか仕事をこなしていきました。それが彼女にとっては余計に目障りだったんでしょう。何かの機会で会っても、無視される状態が続きました。知人に私の悪口を言い、それが漏れ伝わってくることもしばしばでした」
そんな折、工藤市議は県連の竹詰仁代表(参議院議員)と会う機会があったという。
「その席で、自分が置かれている状況について話してみたんです。すると会長は“パワハラですね”と。“何とかしないと彼女に協力する人がいませんね”とも言っていました」
次の衆院選で岡野氏は千葉5区から再び立候補することが決まっていた。
「そこでその後、竹詰さんが岡野さんに私との関係について尋ねてみたそうです。人から聞いたところによると、彼女は“自分より能力の低い人に頭を下げられません”と言ったそうです」
それ以後、岡野氏の態度はより冷たいものになっていった。
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