再び「コメ5キロ5000円」突破が秒読み段階! 沖縄ではすでに「5000円超」まで高騰も…江藤農水相「トイレットペーパー騒動と同じ」発言への強烈な違和感
江藤農水相の問題発言
江藤拓・農水相は4月15日の会見で、備蓄米の流通に偏りが生じていることを認め、「対応を検討する」考えを示した。とは言え、具体的に何をするのかは不明だ。
そもそも江藤農水相は「コメの販売価格を下げるために備蓄米を放出するわけではない」との説明を繰り返してきた。4月11日の大臣会見でも「農林水産省としては価格には直接コミットしないという姿勢は変わりません」と断言している。コメが高すぎるという国民の悲鳴が耳に届いているのか、首を傾げざるを得ない。
さらに批判を集めたのが4月1日の会見だ。第2回の備蓄米放出が実施されたことを踏まえ、江藤農水相は「価格は落ちついて、目詰まりが解消されることを期待しています」と胸を張った。
記者から「流通の目詰まりがあるという想定に対して、今回の調査結果をどう受け止めているか聞かせてください」と質問された江藤農水相は、「トイレットペーパーがオイルショックの時になくなりました。各ご家庭で、家庭の暮らしを守るためにみんなが買ったので、一気になくなりました」と切り出したのだ。
ご存知の方も多いはずだが、1973(昭和48)年に第4次中東戦争が勃発。中東の産油国が原油の生産量を減らしたことで第1次オイルショックが起きた。この時、日本では「トイレットペーパーが不足する」というデマが飛び交い、多くの国民が買い占めに走った。
コメ高騰は国民の責任!?
「トイレットペーパー騒動は、嘘の情報に日本人が踊らされたことで起きました。しかしコメの高騰問題は今、目の前で起きているリアルな現象です。コメが不足しているスーパーが散見されるのは事実であり、少なくとも首都圏では5キロ5000円の悪夢が再来する可能性を流通関係者が問題視しています。ところが江藤農水相はコメなら足りているという認識を改めません。それどころか、『コメがないのではないかという不安感』が消費者、流通関係者、集荷業者に存在し、それが『ネットや伝聞』によって増幅したことが高騰の原因だと指摘しました。これでは私たち国民全員がデマに踊らされてコメの買い占めを続けており、その結果コメが安くならないと断じるのと同じです」(同・記者)
だが、この“不安感説”は事実とは言い難い。コメの専門家も農水省の致命的なミスを、それも複数の失政を指摘している。
例えば江藤農水相は4月1日の会見で「18万トン収穫できている」と記者に説明した。この「18万トン」は昨年のコメ収穫量が一昨年より18万トン増えた679万トンであることを指し、豊作に近い状態だったという昨年からの主張を意味する。
しかし「昨年は猛暑で一等米の収量が減ったことなど複合的な要因で、実際の収穫量は農水省の見積より少なかった。むしろ不作だった可能性さえある」と生産現場や卸売業者などから反論が出ている。
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