食に映画にリアクションまで“完全一致” シンクロ率100%の二人が結婚するまで 「大事なものの嗜好がこんなに合うとは」

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 人生いろいろ、家族もいろいろ、幸福の形もいろいろ。近年、「結婚がゴールではない」という声も大きくなりつつあるとはいえ、ゴールインした二人には幸せになってほしいと思うのが人情というものだろう。

 そして、そのゴールに到達するまでには、十人十色のドラマがあるのは言うまでもない。目下、幸せに包まれているカップルにエールを送りつつ、出会いから現在までを根掘り葉掘り聞いてみる「令和の結婚事情レポート」。

 今回登場していただくのは、五代目円楽一門会、三遊亭兼好一門の落語家で二ツ目の三遊亭好二郎さん(35)と、生花店勤務の岩村香奈さん(33)。昨年11月29日に入籍した二人は、食や映画の嗜好が、見事なまでに“完全一致”したという。

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出会いはバーで

 2020年10月初め。29歳の誕生日目前の香奈さんは、職場のある渋谷からやや離れた荒川区・町屋のバーを訪れた。友人に「いいお店」と薦められたからだ。

 ここの常連だったのが好二郎さん。マスターと懇意で、バーで落語会を開くほど。店が忙しい時間帯にはお酒や料理が出るまで客と話をしながら場をつなぐ役目も負っていた。そんな事情からバー初体験の香奈さんの接客も担当。話すうち好二郎さんが落語家と知って驚いた香奈さん。バーのツイッター(現X)で落語家が店によくいるとは知っていたが、「年配の人と思っていたので、こんな若い人だったのか、って」。

 このバーは料理のおいしさでも知られ、カオソーイを注文した香奈さんは、彼からおすすめの食べ方を教わった。互いに食べ歩きが好きで、おいしい店を紹介し合うなど意気投合した。

「あ!」と同時に反応

 Xをフォローしてもらったお礼に、好二郎さんは再びこのバーへ香奈さんを誘い、次のデートでは渋谷のスリランカ料理屋へ。映画が共通の趣味と分かって訪れた映画バーでは、座った近くの壁にあったポスターを見て「あ!」と二人が同時に声を上げた。「バッファロー’66」。若干マニアックなこの米映画に同時に反応するとは、よほど嗜好が合っていたのだろう。

 ならばこの映画を一緒に見ようと、リバイバル上映している映画館を探したが、残念ながらなく、DVDを借りて好二郎さんの自宅で鑑賞することに。だが機械の不具合で見られず、代わりに動画配信サービスで選んだのは英映画「トレインスポッティング」。ここでも趣味は同じだった。

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