フジ「内定辞退者ゼロ」でも騒動は収まらず…担当記者が明かす局内の風景「他局との勝負をあきらめている印象すらある」
再生への道は?
フジは1982年から93年まで、視聴率三冠王を達成。全日帯(6~24時)、ゴールデン帯(19~22時)、プライム帯(19~23時)の全ての時間帯で他局を圧倒していた。しかし、このところは、平均世帯視聴率2ケタ獲得すら難しい状況で、日本テレビ、テレビ朝日、TBSのみならず、テレビ東京の後塵を拝する時間帯も目立つ。
「以前は、局内のエントランスに世帯視聴率が高視聴率だった番組の名前を張り出していましたが、港氏が22年6月に社長に就任してからは、個人視聴率と13歳から49歳の男女がターゲットのコア視聴率、さらには、民放の動画無料配信サービス・TVerの再生回数が多い番組が張り出されるようになりました。もはや他局との勝負をあきらめている印象です」(同)
同局の労働組合の組合員がもともと80人ほどだったのが、約1300人の正社員中で500人ほど急増したことが報じられた、しかし、局内では正社員以外に多くの外部スタッフが稼働し、現場を支えている。
「正直、外部スタッフがいなければ現場は回らないでしょう。彼らは淡々と業務をこなしているというか、フジの窮状に興味がないスタッフが多いという印象です。外部のスタッフだらけ、という現場も多く、まるで人ごとのように受け止めているスタッフが多いのです」(同)
果たして、フジは再生できるのか――。
3月27日にはフジの“ドン”として40年以上取締役に君臨している日枝久氏(87)がフジの取締役相談役を退任、そしてフジの親会社であるフジ・メディア・ホールディングス(FMH)の取締役相談役を退任することも発表された。長年にわたる日枝体制にようやく終止符を打つことになったが、前出の記者はあることを危惧しているという。
「日枝氏の太鼓持ちだったFMH代表取締役社長の金光修氏は、フジ取締役を退任しましたが、6月には代表権のないFMHの会長に退く予定であることを発表しました。会見での金光氏は記者への接し方が、温厚な清水氏とは真逆の印象です。一部で、今回の人事は“金光氏の日枝氏に対するクーデターではないか”とも言われていますが、まだまだ人事を巡っても何が起きるかわかりません。すでに港体制下の希望退職制度で、多くの有能な社員が会社を去っています。バラエティーはコンプラでがんじがらめになり、目新しい斬新な企画は出にくいでしょう。ドラマはオリジナル作品を生み出せる人材がなかなか見当たらず、原作の実写ばかりになるのではないでしょうか。コンテンツの質が向上する見込みはなく、お先真っ暗です」
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