オリックス・山岡もハマった「オンラインカジノ」を普及させた「日本最大ポーカー大会を運営する企業」の責任 元トップは「適法化に努めています」

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「オンラインカジノを広めてしまった責任を感じています」

 薮内氏は07年に、東京・秋葉原にアミューズメントカジノ「アキバギルド」をオープン。以降、ポーカーを軸とした系列店を展開させるとともに、JOPTなどの全国規模のポーカー大会を運営するに至った「日本ポーカー界の始祖」とも言われる人物だ。

 取材の冒頭で、薮内氏はJOPTなどでオンラインカジノの宣伝活動などをした過去を認めた。

「オンラインカジノを広めてしまった責任は感じています。昨年、オンラインカジノが社会問題化してきたので、9月17日、自ら警視庁の対策本部に出向き、指導を仰ぎました。世界で開催されているWSOPなどのポーカー大会に参加登録してもらうことを目的として、オンラインカジノ内で使われる通貨をプライズとして提供してきたのですが、警視庁からは『誤って賭博性のあるゲームを行う可能性がある』との指摘があり、すぐやめるよう指導を受けました。(薮内氏が代表を務めていた「クイーンズゲート」などの)決済代行会社についても警視庁は把握済みで、業務を停止するように言われましたので従いました。宣伝活動も停止しています」(薮内氏。以下同)

 そして、昨秋以降、責任を取る形で全てのグループ企業の役職を降りたと語った。現在は経営にタッチしていないが、「最も事情を知っている立場」として取材に答えると言う。

ポーカー大会のプライズは「現金であってもいい」

 ウェブコインを利用している六本木のアミューズメントカジノで、客が数百万も負ける金銭トラブルが起きていることついては、「把握済みです」と答えた。

「トラブルが起きた直後である1月20日には、対象店舗でのウェブコインの利用を停止させたと報告を受けています。ただし、ウェブコインが元凶で高額なポーカー賭博が起きているとは思っていません。加盟店が適切な使い方をしていないから起きたことであり、今後指導を徹底していくつもりです」

 薮内氏によれば、適切な使い方をすればウェブコインは「適法」だという。ウェブコインを運営しているのはブラジル法人で、海外などで開催されるポーカー大会にエントリーするために使うデジタル通貨として一昨年から導入したと語る。日本では「ポーカーギルド」という傘下の日本法人が日本での運営を行ない、日本ポーカー連盟が指導・監督しているとのことだ。

 界隈では、ウェブコインに換金性があることが問題視されているが、「換金性があることは問題ではない。プライズとしての付与の仕方に問題がある」と言う。

 JOPTを始めとするポーカー大会でも入賞者にウェブコインを付与しているが、それは「現金であっても問題ない」というのが薮内氏の主張だ。その主張を支えているのが「選手契約」という概念である。「選手契約」とは、大会の上位入賞者が海外のポーカー大会などに出場する費用を日本ポーカー連盟が肩代わりする契約だ。

「入賞したお客さんに出すプライズは、集めた広告費から『選手契約』として出す。一方、お客さんから集めた参加費は会場の運営費にすべて充当する。こうしてしっかり区分けすれば、ギャンブルにはならないというのが我々の考え方です。銀行の口座も完全に分けていますし、私たちは毎回JOPTを開催する会場を管轄する警察署にこうした運営計画を説明し、ご理解を得ながらこれまでやってきました」

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