東大なんか入らなきゃよかった…地方公務員で味わった学歴“逆”差別 関大上司の嫉妬を煽ったフジの「悪趣味バラエティ」
原因は「関大出身」の上司や先輩の「妬み」
「でも、いつまでもゴミ掃除をしていたわけじゃないでしょう?」
「ええ。初出勤から1週間がたったころに新年度の業務分担が発表されて、そこでようやく前任者の引き継ぎという形で業務内容を知ることができました。ただ、それまでは完全に放置です。話しかけてすらもらえませんでした。所在のなさに、社会人になって1週間にして心が折れかけましたね」
たまたま職場全体が忙しい時期で、誰も彼の相手をする余裕がなかったのかもしれない。しかし、知らない環境でずっと放置されるというのは、当事者でなくても想像するだけでなかなかつらいものがある。
「原因はハッキリしています。直属の上司と部内の先輩たちですね。その人たちは関西大学の出身で、それまで職場では『高学歴で頭がいい人』として周囲から持ち上げられていたんです」
関西大学の出身者はほかにも何名かいて、職場では大学名を冠した派閥ができていたという。そんなところに東大卒の吉岡くんが入ってきてしまったものだから、「その人たちがすっかりすねてしまったんですよ」と彼は言った。
「事あるごとに皮肉や当てこすりをされて、ずいぶんとやりづらかったですねぇ。なにかにつけて『自分は東大出で頭がええのかもしれんけど、うちらはそうやないねんな』と言われて、なじられました」
関西では、特定の人に対する皮肉や当てこすりを「いじり」ということがある。いじる側は軽い冗談のつもりでも、いじられる側が不快に感じるならば、それはれっきとしたいじめである。
「先輩たちは、新人のぼくが知らないことがあると大喜びするんですよ。『東大を出てるのに、自分ほんまはアホなんちゃうか』なんてひどいことをよく言われました。そこで、『そうなんですよ。東大にもぼくみたいなアホはいるんですよ』と下手に出て、業務のやり方を少しずつ習得していきました。その場で口だけでもアホだと認めておけば、物事がスムーズに運ぶので。正直、屈辱ですよ。でも、からかうのはやめてほしいと訴えても、まともに取り合ってはくれませんでした。こちらは一人なのに対し、相手は大勢なんですよね」
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