IT知識は“ドリル優子”や“ルフィ強盗団”以下…中居正広氏「見たら削除して」と証拠隠滅を指示もあえなく“復元成功”に専門家もあきれ顔

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“おじさん”だった中居氏とB氏

 犯罪グループにとっては常識だった“セキュリティ対策”ですら、中居氏とB氏は知らなかったということだろう。

 B氏はITの常識が欠如していたという、彼にとっては“恥”かもしれない事実が報告書に記載されている。その全文をご紹介しよう。

《B氏は中居氏の要請に基づき、同ショートメールをUI上は削除していたが、携帯電話内にデータが残っていたため、当委員会のフォレンジック調査により保全した》

 UIとは「ユーザーインターフェイス(User Interface)」の略語で、ここではスマホの画面を指す。つまり「スマホの画面ではメールを削除したことになっていたが、本体の中にはデータが残っていたので復元できた」という意味だ。

 そもそも中居氏もB氏も1970年代に生まれた。ウィンドウズ95が発売された時は20代。生まれたときからインターネットに触れていたデジタル・ネイティブとは完全に世代が異なる。ITに関する知識も経験も乏しい“おじさん”で何の不思議もない。

「旧ジャニーズ事務所の性加害問題も同じですが、フジテレビのセクハラや“上納”という話は以前から都市伝説的に噂されていました。それが、あることをきっかけに極めて早いスピードで実態が明るみになり、日本のエンターテインメント界を代表する大企業2社の名声は地に墜ちたという共通点があります。そしてフジの場合、証拠隠滅を図った中居氏とB氏はITに関する知識が共に欠如しており、それが真相解明に大きく寄与したことになります」(同・井上氏)

噂が拡散していた現場

 おじさんの無知が大罪を暴いた、と言えるのかもしれない。だが、たとえ中居氏とB氏がメールのやり取りを完璧に消去できたとしても、いつか悪事は発覚したのではないだろうか──そんなことを考えさせられる経緯が、報告書の第4章に詳しく書かれている。

 第4章の「本事案報道への対応について」は女性セブン、週刊文春、スポーツニッポンによる取材申請と記事報道の経緯が記されている。

 この章は「(1)現場での噂の広がり」から始まる。つまり中居氏やB氏だけでなく、フジテレビの幹部が女性A氏が被害者となった性暴力の事実を隠そうとしても、収録の現場では噂が拡散していたのだ。

《女性AがCXの業務から離れた後、2024年10月上旬頃から、女性AがCX関連の仕事から離れることになった原因に中居氏が関係しているらしい、中居氏が女性Aに何かをしたらしいというような噂が、CXバラエティ制作の現場や関連する制作会社などの間で広まり始めた》

 悪事を隠すことなど不可能。「天網恢恢疎にして漏らさず」という老子の言葉を思い出す人も多いのではないだろうか。

註:第三者委員会は報告書で匿名が必要だと判断した人物が文中に登場すると、女性A氏、B氏、C医師……とアルファベット順の仮名で表記した。「元CX編成総局編成局編成戦略センター室長兼編成部長」のB氏は2番目に登場するため「B」の仮名が使われた。「馬場」や「倍賞」といったイニシャルとしてBという仮名が使われたわけではないことに注意。

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