「“男のメンツ”が邪魔して孤独に…」 認知症グレーゾーンの見分け方とは 「約40%が5年以内に認知症に」
「ワクワク感」
いかにして意欲を取り戻すか。そのためのキーワードは「年がいもなく」です。あるいは、少々気恥ずかしく感じるかもしれませんが、「ワクワク感」と言い換えることもできます。
厄年(本厄)は男女ともに数え年で61歳が最後です。それはなぜでしょうか。昔はその年齢くらいまでしか人生が想定されていなかったからでしょう。従って、還暦を越えたらもう「いい年」なのだからと、人生の終幕に向けた“それらしい振る舞い”が求められました。いい年をして若作りしたり、はしゃいだりするな、と。それこそ「年がいもなく、みっともない」というわけです。
しかし現代は、人生100年時代を迎え、実際、女性の2人に1人は90歳まで生きる時代です。昔の60歳はいまの75歳、昔の75歳はいまの90歳と考えていいでしょう。つまり、昔の「年がいもなく」という社会的規範を、そのまま適用するのには無理があるのです。
「意」を鍛えるために年がいもなく、ワクワクしながら生きるためのポイントは、「挑戦」「変化」「生きがい」「孤独の回避」「利他」です。科学的にも、ワクワクすれば、やる気や幸福感を生み出すドーパミン、愛情の源となるオキシトシン、心を癒やすセロトニンといった脳内ホルモンが分泌され、認知症対策に寄与することが判明しています。
孤独は脳の大敵
実際、国立長寿医療研究センターが10年間にわたって40~82歳の2205人を追跡調査した結果、好奇心が強く、新しいことに挑戦するのが好きな人は、「結晶性知能」と呼ばれる知的な機能を維持できることが明らかになっています。
具体的には、いつもと違うスーパーに行ってみたり、派手な服を着て若作りしてみたり、髪の色を変えてみたり、料理でも、ダンスでも、盆栽でも、コーラスでも、何でも構わないので新しい趣味にチャレンジしてみたりする。いずれも、かつてであれば「年がいもなく」と冷ややかな目で見られたかもしれませんが、いまの時代にそんな視線を気にする必要がないのは、先ほど説明した通りです。
なお、孤独は脳の大敵であり、孤独な生活を送っている人は海馬などの脳の部位が萎縮していることが分かっています。そのため、趣味を兼ねて脳トレを始めるのなら、ひとりでパズルに取り組むよりも、4人で卓を囲む麻雀のほうが認知症予防としては有効でしょう。
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