アリに敗れて人生が激変 一度はボクシングから離れた「ジョージ・フォアマンさん」が“返り咲き”を果たした理由 「かつては力任せの野獣だったが…」【追悼】

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キリスト教の伝道師に転身

 こうして40戦無敗で迎えたアリ戦で敗北を喫し、揺らぎが生じる。77年には格下のジミー・ヤングに敗れ、この試合後、「神の声を聞いた」と引退してしまった。

 キリスト教の伝道師に転じ、自宅近くに教会と青少年向けのスポーツ施設を建て、これまでの稼ぎを惜しみなく投じた。

 ノンフィクション作家で、「ボクシング・マガジン」の元編集長、山本茂さんは、

「アリに敗れた失意がそれほど大きかった。伝道師をするうち、敗北を思い返して多くのことに気付く。神に救われたと彼は感じた」

“力任せの野獣”を変えた10年間

 87年、10年ぶりに現役復帰を表明。教会など施設の金策のためだった。

「全盛期より体重は20キロ以上増え、お腹も出ていた。復帰は本気なのかと冷ややかに見られた」(前田さん)

 勝利を重ね、嘲笑はやむ。

 ボクシング評論家のジョー小泉さんは振り返る。

「10年のブランクの間に生まれ変わっていました。かつてはただ力任せの野獣でしたが、老化を自覚しスタミナ配分を考えた。肥満気味の体も圧力に用いて、相手が出て来た“一打必倒”の瞬間を捉えていた」

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