「ネズミ混入」全店閉鎖で「30億円」が吹っ飛ぶ? なぜ「すき家」はトラブルばかり目立つのか 専門家が解説
4日間で売上30億円
「すき家は牛丼チェーンNo.1の店舗数を誇ります。店舗数が多いということは、トラブルが発生する確率も上がるということです。もっとも、全国で約3000店舗を展開するマクドナルドではそういった話はあまり聞かない。すき家に問題が多いとすれば、本部とアルバイトの関係性をきっちりと構築できていない弱点があるのかもしれません」(渡辺氏)
すき家の親会社であるゼンショーホールディングスのグループ会社は、はま寿司、なか卯、ジョリーパスタ、ロッテリア、COCO'S(ココス)、華屋与兵衛など167社。2024年3月末時点で、1万5109店舗、従業員18万618人、売上9657億円を誇る外食産業のトップ企業だ。このうち、すき家の売上は2653億円。単純計算で1日当たりの売上は7億2600万円だから、4日間の休業で約30億円が消えることになる。
「ゼンショーにとっても決して小さな金額とは言えないでしょう。害虫・害獣の対策費に加え4日間の休業損失30億円だけでは済まないかもしれません。ネズミ混入というイメージダウンは決して小さくはありません」(渡辺氏)
ゼンショーは1982年、すき家からスタートした企業だ。
「だからこそ全店の一時休業に踏み切ったのでしょう。売上的にも大きいですが、4日間の休業というインパクトはありますから、世の中にちゃんとした姿勢を示すことはできたと思います。ただ大事なのは、その後の姿勢です。4日間閉めました、点検しました、これからのオペレーションこうしていきますといったメッセージを、お客様にどう伝えていくかが重要です」(渡辺氏)
ゼンショーの企業理念には「安全安心な食を世界へ」とある。