“ビッグネーム”を続々と獲得も一抹の不安…「阿部巨人」のウィークポイントが露呈する2026年問題とは
2026年の主砲は誰か?
まず、今オフの補強ポイントは主砲・岡本和真(28)の次を打つ5番候補と、今季、菅野が稼いだ「貯金12」を少しでも埋めてくれる先発投手だった。今季1試合しか登板できなかった田中は本当に復活できるのか。12月18日にはパイレーツから自由契約になった一塁兼外野手のトレイ・キャベッジー(27)と1年契約で合意したと伝えられたが、大山悠輔(30)の阪神残留は巨人の近未来計画を狂わせている。
「来季終了後、順調に行けば、主砲・岡本がメジャーリーグに挑戦することが有力視されています。岡本を送り出した後、2026年からの4番バッターを大山が務めてくれるのであれば何も心配はなかったのですが」(前出・同)
今秋のドラフト会議では「将来の主砲候補」石塚裕惺(18)を1位指名した巨人だが、高校卒の野手が岡本のいなくなる来年オフまでに「後継者」と呼ばれるレベルに成長するのは難しいだろう。また、期待の秋広優人(22)だが、今季の一軍試合出場数はわずか26試合で、本塁打ゼロと苦しんだ。オフの派遣先、オーストラリア・ウインターリーグでは打撃好調のようだが、「外野を守り、ライナー性の打球を後逸した」などのマイナス情報も聞かれる。外野には浅野翔吾(20)もいるが、こちらは1番か3番のタイプだ。
このまま岡本のメジャーリーグ挑戦を認めれば、26年シーズンは「4番不在」となってしまう。岡本は本塁打、打点、長打率、安打数がチームトップ。消去法になるが、後任の4番候補は彼に次ぐチーム2位の14本塁打を放った丸佳浩(35)か、96試合に出場して好調な長打率だった大城卓三(31)、もしくは、56試合で65安打を放ったヘルナンデス(30)といったところだろう。
12月17日に発表されたソフトバンクの捕手・甲斐拓也(32)の巨人移籍に絡めて、こんな見方もされている。
「阿部監督自らが福岡まで出向いて説得にあたりました。大城、小林誠司(35)、岸田行倫(28)の捕手陣に強い不満があるとされるので、甲斐を正捕手で起用してくるのは必至です。でも、甲斐もさほどバッティングが良くありません。たとえば、三塁の坂本勇人(36)を休ませる日や、打撃優先の打線を組む際、『一塁・大城』で出場する試合がさらに増えるのではないでしょうか。来春キャンプで大城は、キャッチャーミットよりもファーストミットを持つ時間のほうが増えそう」(球団関係者)
岡本が三塁か外野にまわり、大城が正一塁手になる可能性も囁かれている。現メンバーの中で石塚が育つまでの間、長打の期待が持てるバッターは大城だけだ。物足りないと思うファンもいるだろうが、これが阿部巨人の現実なのである。
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