大手事務所にいた頃とは違って…堺雅人のCMはなぜ急に増えているのか

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CMで稼がなくてはならない時代

 CMは俳優の本業ではないが、重要性は高まるばかり。民放がゼロ成長、マイナス成長の時代に入り、ドラマのギャラが完全に頭打ちになっているからだ。

 バブル期の感覚が残っていた2000年ごろまではギャラが俳優側の言い値で決まることもあった。ある俳優はスペシャルドラマへの出演を断るため、その口実として、ほんの数シーンの登場で数百万円という法外なギャラを要求した。ところが受け入れられてしまい、やむなく出たこともあった。

 今は違う。プライム帯(午後7時~同11時)の1時間ドラマの制作費は3000万円前後という時代が5年以上続いていたが、冬ドラマの中には2500万円を切る作品もあった。

 低予算ドラマだと登場シーンの少ない俳優のギャラは1回当たり10万円程度。最終回までの10回全てに出演しても1クール(3カ月)で約100万円にしかならない。

 そこから6、7割程度をマネージメント料として事務所に支払うから、ほかに仕事を入れないと生活が厳しい。俳優の掛け持ち出演が増えるはずである。CMへの出演願望も高まる。

CM契約金のランク表は存在しない

 堺ら主演級にもドラマのギャラが頭打ちの影響はある。1回当たりのギャラは200~300万円で、やはり5年以上変わっていない。主演級は出演を年1、2本に絞っているから、収入を伸ばすにはCMに出るしかない。

「CMには俳優の契約金のランク表が存在する」と思い込んでいる向きが昔からあるが、そんなものは広告代理店にもキャスティング会社にも一切存在しない。

「CM契約の期間は新製品の発売時期のみ、半年、1年以上とさまざまですから。また、形態もテレビのCMのみ、ウェ ブやラジオを含むケース、新聞、雑誌も込みといろいろある。ランク表なんてつくれるはずがない。そもそも広告費は企業や商品によってまるで違う。価格が安い菓子類と高級車に同じ広告費が投じられるわけがない」(別の大手芸能事務所幹部)

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