祝100歳「村山富市」元首相の生活習慣に学ぶ 健康長寿を実現する「食生活」だけではない“4つのキーワード”

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「孤独」と「ストレス」

 岡田氏が続ける。

「高齢者が認知症になる理由の一つに、転倒した拍子に大腿骨などを骨折し、寝たきりを余儀なくされて認知症の発症が促進される――といったパターンがあります。しかし運動習慣を取り入れていれば、転んでも簡単に折れたりしない丈夫な骨と、その骨を守る筋力を維持できる効果が期待されます」

 前出のベテラン介護士は、村山氏が「家族と暮らしている」と話した点に注目する。

「『孤独』が心身にマイナスの影響を与えることはよく知られ、“慢性的な孤独感によって死亡リスクが26%上昇する”との米ハーバード大の研究報告も存在します。ひと口に在宅介護といっても、核家族化の進展や老々介護など、介護する側・される側の関係が希薄になってしまっているケースは珍しくありません。家庭内であっても孤立感に苛まれていた高齢者が施設に入所すると、徐々に生気を取り戻し、体調面も良くなるといった事例をこれまで何度も目にしてきました」

 家族と暮らすのが無条件で良いわけでなく、その家族との関係性によって「天国にも地獄にもなる」という指摘だ。一方で、

「人間はすこしストレスがあったほうが脳に刺激が与えられ(脳の)活性化を促すなど、必ずしもストレスフリーの状態が“健康長寿に繋がる”とは言えない面があります。だからこそ、何か一つの習慣を絶対視するのでなく、運動に趣味、家族との語らいや人との交流など、ありふれてはいるけれども、さまざまな刺激を受ける日常生活を送ることが重要と考えます」(岡田氏)

「運動」「バランス」「孤独」「ストレス」――これらとどう向き合い、いかに生活に取り込むか。村山氏は「日本がどこまでも平和な国であり続けることを願っている」との談話も発表したが、“平和”も健康長寿に欠かせないファクターの一つであるのは言うまでもない。

デイリー新潮編集部

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