「浅草4歳次女殺害」5年前の不審死直前に放送された、石原さとみ主演の「法医学ドラマ」に「エチレングリコール」が出てきたのは偶然か

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事件そのものにドラマ性がある

 Mさんが亡くなったのは2018年4月29日で、ドラマの最終回が放送されたのは同年3月17日だった。時期があまりにも近かったため、「ドラマの手法を真似たのではないか」と警察内部で話題になっているのである。

 捜査関係者の間でこんな噂話が持ち上がっているのも、現実に起きた事件がドラマのような展開を見せているからといえよう。

 ドラマで石原が演じた法医解剖医は、“不条理(アンナチュラル)な死”を遂げた遺体と向き合いながら“真実”を追求した。現実に起きた事件でも、容疑者夫妻が隠蔽しようとした真実を法医学が突き止め、さらに過去に一度は封印されたはずの死の真相まで掘り起こされようとしている。「この事件そのものがミステリー性を帯びている」と捜査関係者は語るのである。

 美輝ちゃんが誕生したのは19年1月18日、Mさんが亡くなったのは18年4月29日だった。Mさんが亡くなった時、美輝ちゃんはまだ誕生していなかったが、志保容疑者がすでに妊娠していた可能性は高い。

美輝ちゃんを救うことはできたのか

「結果論ではありますが、Mさんの不審死があった時、“行政解剖”ではなく“司法解剖”に回されていたら、美輝ちゃんの事件は未然に防げたという推論は成り立ちます。捜査や解剖の手法に問題がなかったか、今後検証する必要があるでしょう」(警視庁担当記者)

 日本は死因究明制度の整備が遅れていると言われている。変死体の解剖率は10%程度で、先進国の中では最低水準。全国にいる解剖医はわずか約150人だ。ドラマで出てくる石原らが所属する不自然死究明研究所も、解剖率の低さを改善するために国が認可した全国初の死因究明に特化した調査機関という設定だった。

 Mさんの不審死についてはまだ事件化されるかどうかはわからない。今後の捜査で、”不条理な死”の真実は明らかになるのか。今回の事件は、ドラマが投げかけたような法医学の問題点を孕んでいるのかもしれない。

デイリー新潮編集部

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