紅白歌合戦 1部も2部も過去最低視聴率で浮き彫りになったNHKの苦しすぎる事情

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「紅白」の存廃を視聴者に問う時期

 未来永劫続く番組はない。「紅白」もそろそろオーナーである視聴者に存廃の意見を募り始めてもいいと思う。NHK内でも元会長の島桂次氏(故人)が「公共放送にふさわしい大晦日の番組を職員とともに開発していきたい」(1990年1月)と発言して久しい。

 前会長の前田晃伸氏(79)も「(終わらせるかどうかは)これから考える。存続するかどうかは先の話」(2022年5月)と語り、打ち切りも視野にあることをほのめかした。これから先のことを視聴者と共に考える時期に来ているだろう。

 まず億単位とされる制作費を公表し、視聴者に費用対効果を考えさせた上で、こう問うたらどうか。(1)現行形のまま存続 (2)打ち切り (3)歌手の人選について視聴者の意向を最大限に尊重するなど内容を刷新して存続 (4)1部の廃止など縮小 (5)若者向け番組と中高年以上向け番組を分ける――。

 少子高齢化人口減、ネット社会化を背景に近年のNHKは凄まじい勢いで変わっている。変化の1つに「視聴者の声をより取り入れる」という改革を加えてもいいのではないか。

高堀冬彦(たかほり・ふゆひこ)
放送コラムニスト、ジャーナリスト。放送批評懇談会出版編集委員。1990年にスポーツニッポン新聞社に入社し、放送担当記者、専門委員。2015年に毎日新聞出版社に入社し、サンデー毎日編集次長。2019年に独立。

デイリー新潮編集部

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