「爪が太ももに食い込んで」「一か八か喉元にナイフを」 唸り声を上げ襲いかかる人食いヒグマを撃退した消防署員の告白

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クマの恐怖が脳裏をよぎる

 最後に船板さんが振り返る。

「大原さんとは事前にクマについて話はしていました。“危険だから慎重に行こう”と。大原さんはクマを何度か目撃したことがあると話していました。でもまさかこんなに近距離では遭遇していないはずです。大原さんがナイフを持ってきていたのは、万が一を考えてのことでした。冗談半分で“クマと出くわしたら俺のナイフがある”と話していた。まさかそれを本当に使うことになるとは……」
 
 船板さんは助かった後も、クマの恐怖が脳裏をよぎると語る。

「首の傷は病院でホッチキスみたいなもので止 め、軽傷で入院もせず、翌日には仕事に出ていました。私は去年から登山を始め、いくつか山を登った程度の経験でした。クマとの格闘のトラウマは時間が解決する思っていますが、夜、寝ようとして目を閉じると目撃した一連の光景がフラッシュバックするんです。当分、登山はする気にならないと思います」 

デイリー新潮編集部

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