「ホステスにキス強要、首絞め」 前代未聞、2代続けて「セクハラ」「性加害」ENEOS前会長の「銀座では普通だよ」という酷い言い草

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補助金の原資は税金

 当時、ウクライナ危機などによる原油価格の高騰で、石油元売り各社は政府から補助金を受けていた。ガソリン価格の上昇による国民の負担を和らげるために始まった制度である。

 しかも、コロナ禍もなんのそので、石油元売り各社の業績は過去最高益を叩き出しているというから、首をかしげたくもなる。

「企業倫理に照らし合わせれば、今回のようなトップの不祥事を公にしないのは問題ですが、その尻ぬぐいまで組織ぐるみで行えば、投資家はもとより補助金によって血税を搾り取られている国民からも、批判を浴びると思います」(先の経済誌記者)

「本人は不在です」

 一連の杉森氏のトラブルについての見解を、改めてENEOSに質すと、

「元会長による不適切な言動は当社にとって受け入れがたいものであるとして、元会長に速やかな辞任を求めるなどの対策を講じました。元会長も深い反省を示し、辞任届を出したことから受け入れることとしたものです。その一方で、当社は被害女性が当時のことを思い出すことに非常なストレスを感じておられる旨をお伺いしており、辞任理由における本件への言及も含めて、プライバシーに関わる恐れがある情報発信は厳に控えておりました」(ENEOSホールディングス広報部)

 当の杉森氏が住む都内の自宅を何度も訪ねたが、家人が「本人は不在です」と繰り返して雲隠れ。誠意ある対応はなかった。

 かつて経済誌のインタビューで座右の銘を聞かれ、「至誠天に通ず」と答えた杉森氏は、「何事も誠意を持って対話していく」(「財界」18年8月28日号)ことをモットーにしていると胸を張っていた。今はただ、その言葉が虚しく響くばかりなのである。

デイリー新潮編集部

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