“大英博物館”から相談も…「まんだらけ」古川益蔵会長に聞く、国主導の“マンガ原画保存” 「日本人は海外で評価されないと価値が分からない」

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原画や色紙を販売するパイオニアはどう思うのか

 11月1日、ちばてつや氏と里中満智子氏が「マンガ・アニメ・ゲームに関する議員連盟」の議員らとともに岸田文雄首相を訪問。漫画作品の保存施設の整備やアーカイブの作成、クリエイターの支援などを訴えた。岸田総理は自身も漫画好きと語り、漫画文化を支援すべく、複数年にわたる基金の創設に意欲を示したという。

 また、8月14日付の読売新聞の報道によれば、文化庁は来年度から、日本漫画の原画やアニメのセル画の収集に乗り出す計画があるという。こうした背景には、近年、日本の漫画やアニメの世界的な人気が高まり、なかでも原画やセル画が高額で取引されている事情があるためといわれる。

 原画やセル画が高騰している現状は、日本最大級の漫画・アニメのコレクターズショップ「まんだらけ」が主催するオークションの結果を見ればわかる。例えば、「天空の城ラピュタ」「となりのトトロ」「もののけ姫」などのスタジオジブリのセル画は、数十万はもはや当たり前。場面によっては数百万で落札されることも珍しくない。文化庁は明らかにこうした動向を意識していると思われる。

 まんだらけは漫画の原画や色紙、アニメのセル画を1980年代から取り扱い、適正な値付けを行って販売してきたパイオニアである。まんだらけのキーマンにして会長の古川益蔵氏は、近年の原画保存の動きをどのように見ているのだろうか。また、日本の文化遺産といえる貴重な史料を、未来に伝えていくためにはどのようにすれば良いと考えているのだろうか。単独インタビューで話を聞いた。

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