風邪で静養の小池百合子東京都知事 健康不安説再燃の背景に通称“Gブリ”

国内 政治

  • ブックマーク

Advertisement

 10月26日、風邪のため自宅で静養していた小池百合子・東京都知事が公務に復帰した。「風邪をひいてしばらく休ませてもらいました」と知事自身は語っているが……。

Gブリの先送り

 小池知事は10月18日午後の予定をキャンセルし、20日以降の公務もすべて取りやめ。24日に予定していた区市町村長との意見交換は延期され、25日の軽井沢で行われた関東地方知事会議も欠席した。

 18日の時点で知事は「風邪だ」と周囲に説明し、その後に静養していた、ということになっている。

 小池知事はこの数年、体調不良で休むことがしばしば取り沙汰されている。

 例えば、一昨年6月、7月4日に投開票される東京都議選の大一番を前に、過度の疲労により、都内の病院に入院したことは記憶に新しい。劣勢が伝えられていた都民ファーストの会の候補者を救うため、選挙戦最終日、体に鞭打ち、突如候補者たちの応援に駆け付けた“サプライズ”で、多くの落選危機の都民ファ都議を当選へと導いた。

 しかし、その後も体調不良は伝えられている。

 同じ21年10月にも疲労で入院し、今年の5月にも公務を欠席し、静養していた。そのため、かねて、小池知事の体調を不安視する声は上がっていたのだ。

「実は今回の静養に関しても“予兆”があったんです」

 とは、都庁関係者。

「10月頭の時点で知事へのブリーフィング、通称“Gブリ”について、緊急時以外のものは先送りするように、というお達しが都庁の各部局に出されていたんです。しかも、小池さんがテレワークに切り替える日もあった。ただ、その頃は立川の東京都議補選が行われていて、知事も応援に入っています。そのためのお達しかとも思われたのですが、元気であれば、尚のこと、庁内の予定を絞る必要があるのか、という声が上がり、その頃から“知事の体調が悪いのでは”と噂されてきたんです。そして実際に18日に風邪をひき、体調を崩してしまったため、その憶測が裏付けられるような格好になってしまいました」

1日10数件こなすことも

 都庁OBで、『築地と豊洲』(都政新報社)の著者である澤章氏の解説。

「Gブリとは、都庁内の各部局が知事に対し重要案件を説明するブリーフィングです。小池さんは良くも悪くも精力的に仕事をしているので、登庁したら各部の説明を次から次に聞いていきます。知事室の長テーブルのお誕生日席に知事、そこに局長や部長、担当課長などの数名が座り、説明する。1回10分から15分で終わるのが普通で、その後の説明者は知事室の近くの会議室で待機し、空いたら、部屋に案内されます。小池さんであれば、Gブリを1日に10数件をこなすということもあるのではないでしょうか。緊急時以外のブリーフィングを抑えろという指示が出るのは非常に珍しいです。知事は多忙なので、随分前にスケジュールを押さえます。今回のことでドタキャンになってしまったGブリもあったでしょう」

次ページ:都知事3選を目指すのか

前へ 1 2 次へ

[1/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。