店舗責任者が旅行中に「猫が見殺しに」…「クーアンドリク」直営の猫カフェで起きた「アルバイト女性5人」の“反乱” 労働組合に加入して闘った

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“反乱”が始まった

 さらに翌日になると、共有LINEで“説教”が始まった。

《昨日のスタッフの判断でるるちゃんを病院に連れて行ったこと、今後そのようなことがあった際は報告をしっかりと行うこと、手順にそって確認をして行うことが必要ということも伝えました》

《今後またこのようなことが起こらない為にも徹底と猫ちゃんの体調に気付いてあげて報告をしてください》

 これを読んだアルバイトたちが怒りに震えたのは想像に難くない。上記の通り、再三にわたって報告をしてきたからだ。しかも、彼女たちはこの間、A子さんがどこで何をしていたのかを、彼女のSNSを見て知っていた。

 例えば、3月29日。A子さんはタイのレストランで優雅に食事を楽しんでいた。4月4日には、どこか海外のユニバーサル・スタジオで、なぜかセーラー服に三つ編み姿でポーズを決めていた。5月22日には、シンガポールのマリーナ・ベイ・サンズのプールに。スクール水着姿までアップしていた。

 5月25日には、帰国して競馬場。

《初競馬 大井競馬場行ってきたー! ロイヤルボックス席》

 るるが亡くなった6月22日には、ディズニーシー内の遊覧船に乗っていた。

《自分でお仕事やっていてまだまだ浅いから収益とかの国から得れる証明書不足でどこのお家も借りられず…ホームレスA子です(註:実際はA子さんが名乗っていた芸名)こんにちは》

 という意味不明なメッセージを載せて……。

 アルバイトたちには「海外出張」と伝えていたが、誰がどう見ても、裕福な誰かと一緒に海外旅行を楽しんでいるようにしか見えなかったのである。X氏によると、A子さんはこの間も含んだ約1年間、自分の愛猫を店に置いたまま旅行三昧だったという。

 共有LINEには堰を切ったように、5人アルバイトたちの反論が溢れた。“反乱”の始まりである。

《命の危機がある、しょっちゅう体調が悪くなり獣医さんにお願いしている、早めの入れ替え、引退を、等、私たちは伝えてきたつもりです》

《15日に命の危険を感じたと報告があがってからも、わたしたちはただ元気になってねと情をかける事しかできませんでした》

《るるの引退をとお願いしている頃、もうスタッフ等でこのままでは危ないから何も返答が無いなら病院に連れて行こうかと話していました》

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