ススキノ頭部切断事件 「娘が一人でやった」と訴える両親の「苦しい主張」と強気すぎる弁護士の評判

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「事件を知ったのは娘が家に帰ってきてからだ」。札幌・ススキノのホテルで会社員男性(62)が殺害された事件で、田村瑠奈容疑者(29)と共謀したとして、殺人や死体損壊などの容疑で逮捕・送検された父親の修(59)、母親の浩子(60)両容疑者が、鑑定留置の理由開示手続きで事件への関与を否定した。本当に両親は何も知らなかったのか。強気な二人を支える弁護士の評判はーー。

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「私は精神科医であり、精神科の受診歴はない」

「私が共謀した前提で動機や計画について聞かれても、共謀していないのだから答えられることがない」(修容疑者)

「私は疑われていることは何一つしていない」(浩子容疑者)

 9月1日、札幌簡易裁判所で二人はこのように述べ、事件への関与を全面的に否定した。二人とも「共謀していないのだから鑑定留置は不要」と主張し、修容疑者は「私は精神科医であり、精神科の受診歴はない。仮に起訴されても、責任能力について争うことはない」とも述べた。

 だが、これまでの捜査で明らかになってきた事実と照らし合わせると、二人の主張は簡単に受け入れられるものではない。

 修容疑者は犯行現場まで瑠奈容疑者を車で送迎している。また、事件前には瑠奈容疑者と市内の量販店を複数回訪れ、ノコギリやナイフ、スーツケースなどを、事件当日には自宅近くのコンビニで大量の氷を購入していたこともわかっている。そして何より、切断された被害者の頭部は、3週間以上も自宅の風呂場に置かれていた。

「ノコギリを買ったのは瑠奈が趣味としていた工作のため」

 これだけの関与が疑われる事実がありながら、修容疑者はどのような理屈で共謀を否定しているのか。

「送迎については、瑠奈容疑者に頼まれたから行っただけで、『瑠奈が人殺しをしているとは知らなかった』と説明しています。ナイフやノコギリを購入した理由については、『瑠奈がナイフの収集が趣味だったから』、『ノコギリは瑠奈が趣味としていた工作のため』などと、凶器として使われる認識はなかったと話しています」(全国紙記者)

 一方、浩子容疑者は逮捕前の任意の取り調べの段階で「娘の犯行を止められなかった」と供述していると報道されたが、鑑定留置の理由開示手続きの意見陳述ではこう主張した。

「逮捕前の任意の事情聴取に対して『止められなかった』とは言った。ただ、『事前に犯行を止められなかった』とは言っておらず、事件について発生前から知っていたという意味ではない」

 殺害に関わっていなかったとしても、逮捕時、被害者の頭部は一家の浴室にあったのだから、死体遺棄の否認は通りにくい気がするが、二人とも「後で家に首があることに気づいた」と主張しているという。

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