「女性であることをネガティブに捉えたことはない」 数々の人気番組を担当する舟崎彩乃が語るラジオ業界の舞台裏
「女性であることをネガティブに捉えたことはない」
――男性の世界のイメージの強いラジオ業界ですが、女性ディレクターとして苦労することはありましたか。
正直、女性であることをネガティブに捉えたことはないんです。むしろ、女性でよかったと思うことの方が多い。入社当時は、近い世代の同性の社員がいなかったので、逆に若い女性に担当させたい番組を任せてもらえることが多くありました。それはとてもありがたかったです。最近でも、国際女性デーに合わせた特番があり、声をかけてもらいました。
女性だからさせてもらえない、という仕事は特にないようにも思います。入社当初から深夜の番組も担当させてもらえているし、そこで男性と区別されることはありません。女性だからできないことよりは、女性だからできることの方がずっと多いと感じます。
――普段はどんな生活リズムなんでしょう。
その日のスケジュール次第で、本当にまちまちです。中川家さんの番組のような昼からの生放送があれば朝8時には起きます。久保さんの「オールナイトニッポン」のような深夜番組があれば、夕方6時ごろに出社して打ち合わせや生放送を深夜3時まで行い、帰宅して朝10時くらいまで眠りますね。就業時間は9時間なので、番組や会議の予定に合わせて柔軟に日々のスケジュールを立てています。
休日は、私の場合は日曜日と火曜日が基本です。放送がない日などは有給を取ったりもしますし、その辺りは普通の会社員の方と同じ感覚だと思います。とはいえ、そういった不規則な生活なので、寝ていることが多いですね……。あとは友達と会ったり、映画やドラマを見たり。30代のOLらしい生活をしていると思います。
もちろん、ディレクターとして日々のインプットは心がけていて、話題になっているテレビ番組や映画などは追うようにしています。でも正直すべてに触れることはできないし、諦めてしまうことも多いです。それに、今は流行のサイクルがとても速いので、しばらくしたら次の話題になっていたりもします。だから、あまり無理をして追わなくてもいいかな、と。
最近ハマっているのはプロレスですね。新日本プロレスの内藤哲也(ないとうてつや)選手が大好きです。生身の人間が一つの長いストーリーを生み出しているのに感動します。自宅で映像配信を見たり、先日は初めて後楽園ホールに興行を見に行ったりと、すっかりハマりましたね。流行を追うのも大切だけれど、その一方で最近では私自身が好きなものに時間をかけることを大事にできるようになりました。
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