教え子に性暴力の「小学校教師」 公判で明かされた卑劣すぎる“口止め工作”の中身

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時効1ヵ月前の“再逮捕”

 教室で女子児童を撮影し、当時10代の女性に性的暴行を加えようとした罪に問われている河嶌健被告の公判が7月6日、東京地裁(今井理裁判長)で開かれた。逮捕時に46歳だった被告は東京都の小学校教諭。しかも、被害者の多くは自らの“教え子”だった――。【高橋ユキ/ノンフィクションライター】

 河嶌被告は自身が勤務していた小学校で、担任するクラスの女子児童の着替えを撮影したとして児童買春・児童ポルノ禁止法違反で2022年に逮捕、のちに起訴されている。被告のスマホからは、体操服に着替える女児の写真が約140枚見つかり、機種変更後のスマホにも同様の写真や動画が残されていたことがわかった。

 児童ポルノ禁止法違反についての審理は、すでに初公判が22年5月に開かれ、この“教え子盗撮”について被告は起訴事実を認めている。しかも、盗撮だけでなく、被告自らが児童に下着を脱ぐよう指示して撮影された動画もあった。河嶌被告は別の小学校でも児童の太ももを触ったなどとして、17年に都教育委員会から停職処分を受けていたが、処分後も児童への盗撮を繰り返していたことになる。

 だが、被告の犯行は、それだけに留まらなかった。

 警視庁は捜査の過程で被告の自宅からパソコンを押収。解析を進めたところ、新たな写真や動画が発見される。そこから10代女性Aさんに対して性的暴行を加えようとしていた事実が裏付けられ、ついに、準強姦未遂罪でも起訴されたのだ。

 結果、河嶌被告の審理は、児童ポルノ禁止法違反と併合して進められることとなった。「準強姦未遂罪」は2017年の刑法改正前の罪名である。つまり、この事件は2017年よりも前に起こった事件であり、さらに言えば、公訴時効がわずか1ヵ月後に迫るなかでの逮捕劇だった。あと少しでも逮捕が遅れていたら、被告の犯行は罪に問われなかった可能性もあったのだ。

被害者と「交際していた」と主張

 準強姦未遂罪についての審理や起訴状によれば、被害者のAさんは、児童ポルノ禁止法違反と同様に、かつての被告の教え子だった。河嶌被告は、Aさんが小学校6年生のころから陰部を触る、口淫させるといった性的虐待を繰り返していたという。さらに、抗拒不能の状態に陥っていたAさんを強姦しようと考えた河嶌被告は12年5月、友人が所有する埼玉県内のアパートに彼女を連れて行き、性的暴行に及ぼうとした。しかし、Aさんが拒否したため目的を遂げなかったとされる。Aさんが中学生の頃の出来事だった。

 逮捕当時は短髪にがっしりした体型で、“熱血教師”といった風情だった河嶌被告。だが、7月6日の公判では車椅子に乗り、職員に押されて法廷奥のドアから現れた。髪の毛が伸びてメガネをかけ、終始俯いている。そんな河嶌被告、罪状認否では次のように述べて無罪を主張したのだ。

「私はAさんをレイプなんてしていません。当時Aさんとは交際をしていました」

 続けて弁護人もこう発言する。

「抗拒不能に乗じて無理やりAさんの意志に反して性行為をしようとしたことはない。無罪を主張します」

 だが、認否について今井裁判長が起訴状を一文ずつ確認する際、被告は「Aさんが小学校6年生のころからAさんの陰部を触る、口淫させることを繰り返していた」ことについては認めていた。

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