喜熨斗孝彦容疑者の逮捕で「猿之助」の名跡はどうなる? 「廃業でも裏方仕事なら十分ありだとは思いますが」

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 歌舞伎俳優の四代目市川猿之助こと喜熨斗孝彦(きのし・たかひこ=47)容疑者が、6月27日に逮捕された。一家心中を図って死亡した両親のうち、母親の自殺を幇助(ほうじょ)したという容疑だ。今後は同じく歌舞伎俳優で父親の四代目市川段四郎(本名・喜熨斗弘之)さんの死に関わる再逮捕が濃厚といわれる。歌舞伎界を引っ張ってきた猿之助だが、その名跡は、そして澤瀉屋は、今後どうなるのか。

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 猿之助逮捕の報道を受け、松竹がコメントを発表した。一部を抜粋すると、

《弊社といたしましては、本件が猿之助の家族内の事件であることにも鑑み、司法による最終的な判断がなされるまでは、会社としての見解について申し上げることは差し控えさせていただき、今後の捜査等を見守りたいと存じます》

 ある歌舞伎評論家は言う。

「やはり今後の対応に苦慮しているのでしょう。松竹は6月3日、予定されていた猿之助の今後の公演について発表していました。8月5~27日の『八月納涼歌舞伎』(歌舞伎座)と9月3~24日の『新・水滸伝』(南座)、そして10月25~28日の『立川立飛歌舞伎特別講演』(立川ステージガーデン)を休演するというというものでした。この時点では、来年2月に予定されている『スーパー歌舞伎II 鬼滅の刃』については触れていません。逮捕さえなければ、年明けには復帰できるという希望を持っていたのだと思います」

 人の噂も七十五日とはいうものの……。

再逮捕によっては廃業も

「これまでにも逮捕された役者はいますが、今回は人の生き死にに関わる事件であり、しかも猿之助は実力・人気ともに絶頂でしたからね。その上、段四郎さんの死については自殺幇助では済まない可能性もある。仕事復帰は、まず無理でしょう」

 万一、殺人で起訴となれば、通常は執行猶予がつかない可能性が高い。

「再逮捕された時点で、当代猿之助の名跡と澤瀉屋をどうするかについて、松竹と所属事務所も改めて話し合うことになると思います」

 廃業もあり得るという。

「もちろん本人の意思にもよりますが、そもそも続ける気があったのなら、家族で心中を選ぶことなどなかったでしょう。猿之助の名跡を返上し、廃業ということになるかもしれません。五代目の猿之助については、三代目猿之助(現・猿翁=83)の孫であり中車(香川照之=57)の息子・市川團子(19)が継ぐという既定路線は変わらないと思います。ですが、誉れある名跡をすぐに継がせることはないでしょう。彼はまだ19歳ですから、名跡を継ぐには若い。團子は5月の猿之助の代演で喝采を浴びたものの、澤瀉屋の総領となる実力を備えているとは言いがたいですからね」

 これまで猿之助という名跡が途絶えたことは一度もないという。

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