6代目山口組傘下の組長がレクサス・ランクル「60台、4億」窃盗で逮捕 「400台、15億円」で懲役4年の過去も

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CANインベーダー

 関西地方を中心にした高級車の窃盗グループが摘発されていた事件で、6月13日、主犯格として6代目山口組傘下組織の組長が窃盗容疑で逮捕された。被害は60台、4億円以上にのぼるというのだが、実態はどういったものだったのか。

「6代目山口組の2次団体で、三重県四日市を本拠とする3代目愛桜会傘下の組員ら20名が、クルマの窃盗団として大阪府警に逮捕されました。具体的に傘下の組織とは森島総業のことで、主犯格は森島光(本名:世古光、38)会長になります」

 と、担当記者。

「この窃盗団は大阪や岐阜など9府県でレクサスやランドクルーザーなど64台、約4億3000万円相当を盗んだ疑いが持たれています。窃盗のやり口は、CAN(キャン)インベーダーというものです」(同)

 盗難するクルマのスマートキーが発する電波を利用して盗難するやり方としてリレーアタックやコードグラバーというものがあったが、CANインベーダーとは?

「クルマのあらゆるところに通っているCAN信号という配線を経てクルマの制御システムに侵入し、鍵を壊さずに短時間でドアを開け、不正にエンジンを始動させるものになります」(同)

警察官を籠絡

 森島会長が窃盗で逮捕されたのは今回が初めてではない。

 2017年5月、同じく高級車の窃盗団を組織し、窃盗罪などに問われた森島会長に対し、裁判所は懲役4年(求刑・懲役6年)の判決を下している。

「判決では、森島会長が配下の暴力団組員らと共謀し、2015年6月~16年5月、関西や中部地方を中心に、時価総額約1250万円相当のクルマを盗んだと断じていますが、実際の被害はレクサスやランドクルーザーなど計約400台、15億円以上にのぼるといわれていました。この事件をめぐっては、森島会長らに捜査情報を漏らしたとして、三重県警の警察官2人が地方公務員法(守秘義務)違反容疑で書類送検され、不起訴(起訴猶予)となっています」(同)

 窃盗グループを組織するにとどまらず、警察官を籠絡するなど手の込んだ企みだったからこそ、多くのクルマを盗難することができたのだろう。

「当時はCANインベーダーではなく、工具で警報装置の配線を切ってドリルなどでドアロックをこじ開け、専用機器でエンジンを作動させるやり方を主として採用していたとか。盗んだクルマで移動しながら窃盗を重ね、関東方面の解体業者に運び込んで解体し、国内外に転売していたようです」(同)

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