マリオ映画、なぜ批評家からは酷評? 「ポリコレの欠如」説は的外れ

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 トレードマークの赤い帽子と青のオーバーオール、特徴的な口ひげと大きく丸い鼻。それだけ聞けばあの“キャラ”の顔が思い浮かぶだろう。その名はマリオ。彼を主人公とした映画が全世界で大ヒットしている。

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 アメリカなどで4月5日に、日本では4月28日に公開された「ザ・スーパーマリオブラザーズ・ムービー」は任天堂のゲーム「スーパーマリオ」シリーズをアニメ映画化した作品だ。

 日本では興行収入100億円を突破、公開から31日での100億超え達成は洋画アニメ作品史上最速だ。世界での興行収入も約12.8億ドル(約1800億円)を記録するなど、勢いが止まらない。

 アニメ映画の歴代興行収入ランキングをみると「アナと雪の女王2」を筆頭としたディズニーアニメに次いで第3位である。世界的なアニメ作品に伍すること自体快挙であるといえよう。

ヒットの理由

 なぜここまでのヒットにつながったのか。

「任天堂が映画製作に積極的に関与し、ゲームの世界観を上手に映画に落とし込んだことが挙げられます」

 こう分析するのは、アニメ業界に詳しいジャーナリストの数土直志氏である。

「ゲームを映像化するのは、難しい。ジャンルにもよりますが、ゲームは細かい設定が希薄なことも多く、ストーリー仕立てにするのに苦労します。しかし、本作はマリオの魅力を生かしてファンも喜ぶ物語になっていました」

 実際に、アメリカの映画批評サイト「ロッテントマト」では観客の96%が高評価を与えている。

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