ウクライナ軍の反攻開始でロシア軍は総崩れ 専門家が「まさに敗北寸前の軍隊」という状況証拠とは

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 CNN.co.jpは6月7日、「ウクライナ反攻、開始の兆候 東部で戦闘が大幅に増加」との記事を配信し、YAHOO!ニュースのトピックスに転載された。NATO当局者などがCNNの取材に応じ、《過去48時間の間に東部での戦闘が大幅に増加している》ことを明かしたという。

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 その一方で、南部へルソン州のドニエプル川にあるカホフカ水力発電所のダムが破壊されたことは、反攻作戦に影響を与える可能性があるとも伝えた。

《ダムの決壊によって、ウクライナ軍がドニプロ川を渡ってロシア軍の陣地を攻撃することが、より困難になる可能性がある》

《米国に駐在している欧州の大使は、ダムの下流で計画していた作戦をすべて練り直さなければならない可能性があるとの見方を示した》

 CNNだけでなく、世界各国の主要メディアも反攻作戦を大々的に報じている。担当記者が言う。

「ウクライナ陸軍のオレクサンドル・シルスキー司令官(57)は3日、東部の激戦地バフムトでロシア軍が大損失を受けたと発表しました。皮肉なことに、ロシアの民間軍事会社ワグネルの創設者エフゲニー・プリゴジン氏(62)もバフムト近郊の一部がウクライナ軍に奪回されたと主張し、裏付けが取れた格好です。プリゴジン氏は、現地のロシア軍兵士が『敗走している』と明かし、『恥ずべきことだ』と非難しました」

ロシア領攻撃の情報

 脱走については朝日新聞デジタルも4日、「ロシア兵40人、ルハンスク州で部隊から脱走か ウクライナ軍報告」との記事を配信している。

「5日には米紙ニューヨーク・タイムズが、ウクライナの反攻が始まった可能性があると報じました。さらに、ウクライナ軍は国内のロシア軍だけでなくロシア領も攻撃しているとの情報も伝えられています。北東部のハルキウ州と国境を接するロシアのベルゴロド州では、ドローンによる攻撃でエネルギー施設に火災が発生し、砲撃で街の建物が損壊したと知事が発表しました」(同・記者)

 軍事ジャーナリストは「反攻の報道は事実のようですが、注目すべきはロシア空軍の動きでしょう」と言う。

「ロシア軍がウクライナに侵攻したのは昨年2月24日。その際、ウォロディミル・ゼレンスキー大統領(45)はNATO(北大西洋条約機構)に、『ウクライナ上空に飛行禁止区域を設定してほしい』と再三、懇願していました。しかし、NATOはロシア軍との戦争になると拒否。ゼレンスキー大統領は『NATOはさらなる空爆を容認した。あなたたちの弱さのせいで人々が死んでいく』と強い口調で批判しました。ところが、大統領は現在、ロシア空軍の脅威など全く口にしていません」

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