中高年男性がハマりやすいネットポルノ その功罪をベテラン官能小説家が分析すると

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 映画「ゴッドファーザー PART2」や「タクシードライバー」などで知られる米俳優のロバート・デ・ニーロが、79歳で第7子の誕生を公表した。見上げた“元気”ぶりである。多くの中高年にとって、満たされた著名人の夫婦生活はもはや真似ができない。その一方で、「ネットポルノ」にはまる中高年も急増中だ。さて、その功罪とは?

家族に鑑賞がバレて父親の権威失墜も

 東京・新橋にあるビルの一角。大手PCメーカーを顧客に持つ調査会社の事務所に、何台かの大型PCが並ぶ。同社のスタッフAさんは、その画面に次から次へとネット上の成人向け動画(ネットポルノ)を映してくれた。

「ネットポルノの業者数はざっと100社ほど。かつては成人向けビデオを制作、販売していた会社が中心です。業界の年商は500億円程度。他方、国内外にサーバーを持つネットポルノ配信業者は、星の数ほど存在します」

 成人向け動画自体は古くから存在する。捜査の目をくぐった「ブルーフィルム」や、映倫の審査を通過した「ピンク映画」などを思い浮かべる人も多いだろう。ところが、近年のネットポルノは半端ではない。初めて観る人なら、この世の物とは思えない異次元の動画が、これでもかと映し出されるのだ。

 ボカシやモザイクはない。ある動画では、制服姿の出演者たちが、あどけない顔を隠さずあえぎ声を響かせている。他にも外国人が登場する成人向け動画もてんこ盛りである。先のAさんは「ネットポルノの鑑賞は18歳以上の条件があり、有料のサイトもありますが、ネットサーフィンすれば何時間観ても無料の世界です」と、語る。

 ただし、『インターネットポルノ中毒 やめられない脳と中毒の科学』(DU BOOKS、ゲーリー・ウィルソン著・山形浩生訳)をはじめ、その弊害を指摘する向きは少なくない。アルコール依存症のように無気力や集中力不足、不安感が起こるほか、強い刺激の連鎖により勃起障害も起こりかねないとする見解もある。

 Aさんは、ネットポルノの弊害についてこう語る。

「ネットポルノを気軽に鑑賞できるようになった近年、そうした成人向け動画に影響を受けた若い世代が、実際の行為でパートナーに無理なプレイを強要するケースがあります。ある意味で、性への欲求が肥大化するわけです」

 中高年世代は、家族の目がポイントだ。

「部屋で隠れて観ている現場を配偶者や子どもたちに見つかると、父親の面目が丸つぶれになることもあります。また、PCの扱いに不慣れな人が多い年代ですから、ブラウザの閲覧履歴を消し忘れたり、消し方を知らなかったりする場合もあります。家族共有のPCで履歴を見られたら、父親の権威は喪失します。どんな内容の動画を観たのかまで、すべてバレてしまいますから」

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