「信頼関係は地に落ちた」と公明は怒り心頭 「自公亀裂」の複雑すぎて解けない方程式と萩生田政調会長の焦り

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都議会での自民との協力関係を白紙に戻す

 自民党と公明党との亀裂が深刻化している。5月25日に自民党の茂木敏充幹事長と会談をした公明党の石井啓一幹事長は、「東京での自公の信頼関係は地に落ちた」と強い言葉で自民党側を批判している。揉め事の発端は、すでに報じられている通り、次期衆院選の候補者擁立を巡る問題だ。

 衆院選の小選挙区の定数が「10増10減」されることに伴い、自民党と公明党は候補者調整を続けてきた。焦点となっていた衆院東京28区(練馬区東部)について、自民は公明候補の擁立を認めず、公明はこれを踏まえて擁立断念を余儀なくされることになる。その“報復”として、東京の選挙区で公明から自民の候補者に推薦を出さない方針も確認したという。 

 なぜここまで両者の関係はこじれてしまったのか?

 政府与党内の仁義なき戦いの水面下で起こっていた、自民の都連会長・萩生田光一政調会長の思惑とは? 亀裂の深層に迫り、今後の展開を読み解く。

公明・学会の焦り

 次期衆院選で東京の選挙区の数は5つ増える見込みだ。公明はかねて現職議員を新たに東京29区(荒川区・足立区の一部)で擁立することに加え、東京28区でも候補者を擁立したい旨を自民に伝えていたが、自民はこれを拒絶した。

 これを受けて公明は「東京28区での擁立を断念・東京の選挙区では自民候補の推薦を見送る、都議会での自民との協力関係を白紙に戻す」方針なのだという。

「公明というか創価学会にとって、ここ最近の国政選挙で比例代表での得票数が減ってきているのは喫緊の課題ですが、少子化などの影響からそれを盛り返すことはなかなか難しい。票が減って議席を失った分を取り戻すため、小選挙区の数が増える都市部で勝つということに狙いを定めたということでしょう」

 と、政治部デスク。さらに悪いことに、これまで維新が公明に配慮して関西で候補を擁立してこなかった6選挙区で、その方針を撤回する動きがあり、それもかなり手痛いようだ。

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